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日本も他人事ではない!「イランショック」から見えたサイバー脅威の恐ろしさ… "平時の日常"を破壊する「見えない戦火」

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イランの国旗と覆面の兵士
イランショックの今、インフラを標的にする 地政学的サイバーリスクを無視できない(写真:NurPhoto/Gettty Images)
  • 中西 一博 アカマイ・テクノロジーズ エバンジェリスト
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イランに対する最初の爆撃直後からユーザーに向けて、「助けが来た」というペルシャ語から始まり、イラン軍関係者に向け武装解除や投降を呼びかけ、解放勢力に加わることを促すメッセージが次々に通知された。

これは、実戦と同時に相手側の士気や意思決定を揺さぶる情報戦の一端だと考えられている。

今回起きたこれらの事象からは、サイバー攻撃が現代戦の戦術に完全に組み込まれ、軍事的戦略目標だけでなく、民間のサービスを通して社会的な混乱を引き起こすトリガーとして周到に準備され、展開されていることがわかる。

停戦がもたらすサイバー攻撃への影響

イランのインターネット接続率は、戦闘開始後最初の1カ月で1%未満にまで低下したが、4月7日の“脆弱な停戦”の発効から1週間が経過した時点でわずかに回復している。

このことは、イランのインターネットインフラは戦争によって破壊されたのではなく、イラン当局が説明している通り、むしろ外部からの攻撃や諜報活動、反政府勢力の情報入手などの “光量を絞る” 目的で、戦術的かつ制御された形で遮断されたことを示している。

また、停戦に向けた慎重な議論が始まったタイミングで、イランの国家主体やハクティビストによる、イスラエルおよび中東地域のアメリカの同盟国を標的としたサイバー攻撃は、約62%減少した。(Akamai観測)この減少傾向は、4月7日からの停戦後も継続している。

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【サイバー攻撃は“平穏な日常生活”そのものを標的に】

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