これは、サイバー戦に伴う国家レベルの攻撃が、DDoSだけでなく一般の民間企業の業務やサプライチェーンに関わる組織内のシステムも標的にしている証左といえる。
続く3月31日には、イラン革命防衛隊が米IT企業18社をあげて攻撃を表明した。サイバー攻撃による大きな影響は報じられていないが、その一方で、4月2日にAmazon (AWS)とOracleの中東における施設を物理的に攻撃したことを表明し、デジタルインフラが物理的な攻撃の標的となるリスクが現実になった。
4月7日には、アメリカの上水道および廃水処理施設やエネルギー関連施設、地方自治体の設備といった重要インフラシステムを標的にしたサイバー攻撃戦術をエスカレートさせているとアメリカの政府機関が勧告した。
施設で産業用機器の制御や管理に使用される制御用のコンピュータPLCや監視制御・データ収集(SCADA)製品を標的にしており、この件でも、Handalaの関与が指摘されている。
戦術に組み込まれるサイバー攻撃
逆に、アメリカ・イスラエル側からイランへのサイバー攻撃はどうか。
作戦の開始後、米統合参謀本部議長のケイン米空軍大将が次のように記者会見で明かしている。
「軍事作戦の初期段階で、イラン側の指揮統制インフラ、海軍部隊、弾道ミサイル基地、および情報インフラを体系的に標的とし、宇宙/サイバー両空間における連携作戦で、対象地域全体の通信網やセンサーネットワークを効果的に妨害し、状況の確認・状況に対応する能力をイランから奪った」
同様の弱体化作戦は、2025年6月にイランの核施設を空爆した「Operation Midnight Hammer」でも実施されており、イランの地対空ミサイルなど防空システムを無力化した。
また、イスラム教の礼拝時刻を知らせる人気のスマホアプリ「BadeSaba Calendar」の通知機能が何者かによって侵害された事案も起こった。
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【停戦がもたらすサイバー攻撃への影響】
