日本のフードロス問題が新たな局面を迎えている。農林水産省と環境省の推計によれば、2023年度の国内食品ロス量は約464万トン。これは、国民1人ひとりが毎日お茶碗1杯分に近い食品を捨てている計算になる。
このうち約半分を占めるのが、売れ残りや期限切れなどで廃棄される「事業系食品ロス」だ。この社会課題を「実利」に変え、物価高に悩む消費者の心をつかんでいるのが、急速に台頭する「フードロス削減アプリ」である。
リリースから1週間でユーザー25万人を突破
現在、この市場で存在感を放っているのが2つのプラットフォームだ。1つは18年4月にリリースされ、24年10月に累計登録者数100万人を突破した日本発の「TABETE(タベテ)」。そしてもう1つが、北欧発で今年1月に日本上陸を果たした世界最大手「Too Good To Go(トゥー・グッド・トゥー・ゴー)」である。
後者は、日本版のリリースからわずか1週間で登録ユーザー数25万人を突破するなど、ロケットスタートを切った。人気の背景は、単なる社会貢献意識ではない。消費者にとって「定価の半額以下」で人気店の味を楽しめるという、極めて合理的なメリットだ。
掲載店舗の顔ぶれも多彩。「クリスピー・クリーム・ドーナツ」や「ドン・キホーテ」「かっぱ寿司」といったチェーン店から、街のベーカリー、カフェまでが名を連ねる。
食料品価格の上昇が続く中、「安く、それでいて質の高いものを」という切実な需要と、サービスの仕組みが見事に合致したといえる。コメや卵、菓子類など身近な商品の値上げが続き、外食価格も上昇する中で、消費者の節約志向は一段と強まっている。
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【実際に利用してみた】
