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クリスピードーナツが1931円→798円! 物価高に苦しむ消費者が熱狂する「食品の福袋アプリ」驚きの高コスパに潜む思惑

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Too Good To Go
1月に日本に上陸した「Too Good To Go」。リリース1週間で登録ユーザー数25万人を突破(写真:筆者撮影)
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この点、フードロス削減アプリは、この「負債」を「収益」へと転換できる存在だといえる。本来は収益がゼロあるいはマイナスだった在庫を売り上げに変えることができる。また、環境配慮型企業としての姿勢を打ち出すことでブランド価値の向上も期待できるだろう。

さらに、アプリをきっかけに来店した客が、ついでに通常商品を購入する「送客装置」としての機能も見逃せない。実際、筆者が受け取りに訪れた際も、ほかの商品を併せて購入する利用者の姿が見られた。格安での提供を「新規顧客への認知向上」と捉えれば、新たな販促手法とも評価できる。

実際に購入すると「食事を無駄にせずに済みました」と表示される(写真:筆者撮影)

ただ、フードロス削減アプリにデメリットがないわけではない。安売りセールと同様、利用者が「閉店前まで待てば安く買える」と学習してしまえば、通常価格での購入が減る可能性もある。ブランド価値を重視する店舗ほど慎重になるだろう。

企業側にとっては、フードロス削減アプリでメリットを享受しつつ、いかに買い控えやブランド毀損などのデメリットを抑えるかが課題になる。出品量や価格設定、掲載時間帯などの調整が今後より重要になるはずだ。

「トク」と「収益化」をデジタルでつなぐ

こうした課題を差し引いても、この新しい商流が持つポテンシャルは大きい。従来の食品ロス対策は、どこか「もったいない」という倫理観や企業の義務感に依存する側面が強く、どちらとも「我慢」を強いられるような雰囲気があった。

対して、フードロス削減アプリでは、消費者の「トクをしたい」という本音と企業の「ロスを収益化したい」という切実な経営課題をデジタル技術でつなぎ合わせることで、「おトクに買ったら、結果として社会にも貢献していた」という気負わない自然な循環が誕生している。

こうした社会・消費者・事業者の三者すべてにメリットがある“気持ちよくトクできる仕組み”が、消費者に受け入れられているのかもしれない。

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