3月4日には東京・霞が関で「非正規公務員の人事評価を問う」と題した院内集会を主催。所管の総務省職員が出席するなか、遠方で暮らすトモミさんは代読という形で、自らの体験や悔しい思いを伝えた。
「理不尽に雇い止めにされた“仲間”がたくさんいるんだと知ることができ、心強かったです。情報開示のやり方を教えてくれたのも、voicesのメンバー。私の話を一番親身に聞いてくれたのは労働組合ではなく、voicesでした」
子どもに背中を押されて
実は、トモミさんは当日まで本連載の取材を受けるかどうか迷っていたという。記事になることで自身が特定され、思わぬ悪影響がでることを懸念したのだ。
では、なぜ取材に応じると決めたのか。その理由をトモミさんは「子どもに背中を押されたんです」と語る。
この1年、トモミさんは雇い止めの恐怖におびえ続けた。子どもはそんな母親の異変に気付いたのか、「会社でパワハラに遭ってるの?」と聞いてきたという。
事情を伝えると、「ありえない! 自分が社会人になったときに同じことがないよう、ママが頑張ってよ」とげきを飛ばされた。取材に限らず、労働組合への相談も、情報開示請求も、我が子の願いに応えたいという一心からだった。
トモミさんに話を聞いた日、1つうれしい知らせがあった。新しい就職先が決まったのだ。ある団体の契約職員だが、公務職場ではないので、5年を超えて契約更新されれば、無期雇用になることができる。
トモミさんが自らに誓うように言った。
「今度こそ安心して長く働けるようがんばります」
