別の機会に上司に雇い止めは困ると訴えると、「どうしてうちにこだわるの。〇市とか、〇市に行けばいいじゃない」と、別の自治体の採用試験を受けるよう促された。
トモミさんの通勤手段は自転車。別の自治体はいずれも遠方で、自転車では通うことはできない。このときの上司の半笑いの表情と、軽口でもたたくような口調に、絶望的な気持ちになったという。
規律性・協調性「C判定」のなぜ?
昨夏、トモミさんが季節外れのタートルネックを必死に探したのは、この評価をなんとか挽回したかったからだ。しかし、昨年末には今年3月末の雇い止めを通告される。
納得できなかったトモミさんは、自治体に対し、自らの人事評価などに関する開示請求を行った。その結果、「規律性」「協調性」など6項目のうち5項目が最低評価の1つ上にあたる「C」判定であることがわかった。
理由が書かれているはずの「評価者所見」の欄は全面的に黒塗り。不開示の理由として「評価者の委縮を招く。公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある」という旨の説明があった。
自身の評価の根拠すら知ることができないのか。トモミさんは所見欄を開示するよう、担当部署の職員に直接求めたが、返ってきたのはおおむね次のような答えだったという。
「あなたに評価の理由を伝えると、課の不利益になる。雇い止めは総合的な判断」
こうした対応に、トモミさんは思い当たることがあるという。良好ではないという評価を受けたころ、職場で市民の個人情報が記載された重要な書類が紛失する事件が起きた。
紛失した職員を特定することはできなかったが、トモミさんは「このときの不祥事の責任を、立場の弱い会計年度任用職員の私に押し付けたのではないか」と見ている。
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【正規職員→工場→保険の外交員】
