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ライフ #大人の貧困 「雇用の谷間」でもがくミドルエイジ

「うなじが見える…」髪型や服装を事細かに上司がチェック 指示に従い続けた40代非正規公務員が"雇い止め"のなぜ?

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手を組む女性
真夏にタートルネックの着用を強いられた挙句、雇い止めにされたトモミさん(写真:トモミさん提供)
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トモミさんがこの自治体で働き始めたのは、5年前。窓口での助成金の申請受け付けや関連書類の交付などの業務を担った。

自身の仕事ぶりについて、「大きなミスはありませんでした。できるだけ(市民の)待ち時間を少なくしようと、制度の勉強もしたので、『手続きが早くていいね』というおほめの言葉はよくいただきました」と及第点をつける。

2年前に「低評価」と判断され…

ところが、2年ほど前、上司との面談で「人事評価が良好ではない」と言われてしまう。同じ評価が続いた場合は雇い止めになるという旨も通告された。トモミさんが理由を尋ねると、「間違った案内が多い」「業務が遅い」などの指摘を受けた。

上司によると、サービスを受けるための手続き方法と、書類の発効日について間違った説明を受けたという市民から、それぞれ苦情が寄せられたという。

これに対してトモミさんは、「記憶では、(どちらのケースも)正しく説明しました。制度の仕組みは複雑で、私たち職員が正しく伝えても、誤解が生じるケースはどうしても発生します」と反論する。

「会計年度任用職員を雇い止めにされたトモミさん。同様のケースで多くの自治体側は雇い止めの理由を「市民に公平に雇用機会を与えるため」とするが、そこには雇用を奪われる側への想像力はない(写真:トモミさん提供)」

大勢の市民に対応するなかで、“言った・言わない”のトラブルは非正規、正規を問わず起こる。ただ、職員の側だけが一方的に責任を追及されることはまずない、というのだ。

また、業務の遅さについては、上司から「1人当たり30分かかってたよ」と言われたという。仕事の速さには自信があったトモミさんは翌日以降、1人当たりにかかった時間を記録した。

このときのメモ用紙には「14:08 14:15 14:28 14:37 14:49」などの数字がびっしりと並ぶ。それぞれの対応開始時刻である。これを見ると、平均的な対応時間は1人当たり15分弱。いくらなんでも30分はありえないと、トモミさんは憤る。

しかし、評価がくつがえることはなかった。

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【ほかの市に行けばいいじゃない】

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