例えば、ひざ下丈のスカートをはいても「ふくらはぎが見えるのはダメ」、ヒールの高さが3センチほどのパンプスで歩いていると「あなた、その靴でよく仕事できるね」、ビビッドカラーのハンカチに対しては「その年でまだそんなの使ってるの?」など。
髪型については「うなじが見えるから結ばないで。でも、長すぎるのもダメ」と言われた。
「常にチェックされていると感じました」とトモミさん。理不尽だと思ったものの、すべて従った。出費もばかにならなかったが、ワイドパンツやヒールのないシューズを新たに買いそろえた。その理由をトモミさんはこう説明する。
「1年更新の会計年度任用職員だからです。雇い止めだけは免れようと必死なんです。だからちょっとしたことでも、言われたら直す」
クビになるわけにはいかない
トモミさんはシングルマザー。
別れた子どもの父親は音信不通で、養育費は受け取っていない。このため、収入の柱は手取り12万円ほどの賃金と月5万円ほどの児童扶養手当など。クビになるわけにはいかない、という思いは切実だ。
それにしても、やれうなじが、ふくらはぎがというのは、さすがに性差別的ではないか。
これに対し、トモミさんは「人事評価の基準がよくわからないんです」と途方に暮れる。雇い止めにつながる評価基準が公平性や透明性を欠くため、上司の不興を買わないよう、とにかく従うしかないというのだ。
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【自身の仕事ぶりについて】
