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「元遊郭が肉豆腐屋に変身」「徳川家康と岩崎弥太郎の力も頂戴」…一度は廃れた街を復活させた熱海の"ちゃっかり力"

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熱海のビーチ
「東洋のナポリ」と呼ばれている熱海のビーチ(写真:masy/PIXTA)
  • 谷口 素子 取材ライター・コラムニスト
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史実が残っているものもあれば、臆測の域を出ないものもある。しかし、さまざまなものをちゃっかり利用して街が繁栄してきたことだけは、間違いない。

熱海温泉を全国に広めたのは徳川家康

熱海で温泉の話をしないわけにはいかない。熱海温泉を全国に知らしめた宣伝マンは、徳川家康だ。関ヶ原の合戦前に立ち寄った家康は、温泉パワーで天下統一を成し遂げたといわれている。また家康はお忍びで湯治に訪れたり、息子たちを連れて京都へ向かう途中に、7日間の湯浴み逗留をしたりという伝承もある。

家康は熱海の湯を江戸城まで運ばせていた。筆者の知り合いの祖母は、「徳川家康には足を向けて眠れない」といっていたそうだ。

1817年(文化14年)刊の『諸国温泉功能鑑』では、全国の温泉地が番付で紹介されている。東の大関は草津温泉、西の大関は有馬温泉。この番付に熱海温泉の名前はなく、行司として「伊豆熱海湯」と書いてある。家康の愛した温泉は別格という計らいらしい。将軍様の恩恵もちゃっかり受けている熱海温泉。筆者も恐れ入った。

家康も愛した熱海の湯を観光客にも楽しんでもらいたいと、駅には「家康の湯」という無料で入れる足湯スポットがある(写真:筆者撮影)

熱海出身というと「温泉に毎日入れていいね」といわれる。残念ながら実家の内湯は温泉ではない。一般家庭でも温泉を引くことはできる。

温泉を引くには熱海市温泉事業から供給してもらう方法と、温泉組合から供給してもらう方法がある。費用はそれぞれ異なるが、熱海市温泉事業の場合、一番低い金額で温泉加入金が47万3000円プラス、温泉供給許可書の発行手数料が500円かかる。月々の基本料金は最低で1万9256円からだ。

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【おすすめの日帰り温泉は「共同浴場」】

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