けれど、普段はマダムな装いで接客するオーナーも、7月15日、16日の “熱海こがし祭り”の日はガラリと変わる。髪の毛をアップにし、半纏を着て山車の上で笛を吹く。筆者とは幼馴染で、笛吹き仲間だ。
小学校低学年から一緒に山車の上で太鼓を叩き、中学に入ると笛を習いに師匠の家まで通った仲。今も現役でそれぞれの町内の山車に乗り、笛を吹いている。気がつけばキャリア約40年。祭りに参加する山車の中で、一番キャリアの長い二人だ。
「あの二人はいつまで山車で笛を吹くのだろう」と思っているジモト民もいる。冬は祭りに参加しないと思っている筆者も、5月が終わり、6月がきて、7月に入ると、笛を握りしめてお囃子の練習に出ている。「今年も山車に乗るの?」と聞かれたら……「もちろん、参加します」。ちゃっかりここで宣言してしまった。
ちゃっかり力で生き延びた街 熱海
熱海はジモト民のちゃっかり力で生き延びてきた街だ。徳川家康のお墨付きも、岩崎弥太郎の土地も、政財界のインフラ投資も、全部ありがたく頂戴した。そして令和の今、その遺産を観光客の皆さんと分かち合おうとしている。
熱海駅周辺の賑わいは嬉しいが、しかし、一過性のブームで終わるのではないかと危惧もしている。観光客には駅の周辺だけでなく、街中まで散策して熱海をもっと知ってほしい。
