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ライフ #ジモトのアタリマエ──観光客の知らない知恵と常識

年間600万人が押し寄せる熱海「駅前のプリンと海鮮丼で帰らないで」ジモト民が通う《坂を下りた先》の素朴なグルメ

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トンカツ屋の名店「喜撰」のカツサンド
売り切れ御免、喜撰のカツサンド(写真:筆者撮影)
  • 谷口 素子 取材ライター・コラムニスト
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今の熱海駅付近の混雑ぶりを「もう少し観光客の数が落ち着けばいいのに」と思うジモト民もいるが、寂れた時期を知っている筆者としては、この活気はありがたく嬉しい。

ただ、駅周辺で赤いかばが目印の「熱海プリン」を買い、マグロ、イカなどが山盛りになった海鮮丼の写真を撮って帰ってしまう観光客を見ていると少し寂しい。坂を下り、街に出ればもっと魅力的な熱海と出合えるのにと思ってしまう。

赤いかばが目印の「熱海プリン」。とろりなめらかな口当たりで老若男女に人気だ(写真:nunokawasan7/PIXTA)

イートイン? 魚屋の店横でさばきたて刺身

ジモト民(特に筆者)がこよなく愛すグルメの数々は、糸川(いとがわ)周辺にある。糸川は熱海市役所の近くを流れる小さな川だ。熱海市役所がある付近を本町(ほんちょう)。熱海市役所を背にして糸川の右側にある地区が友楽町(ゆうらくちょう)。左側が浜町(はまちょう)。さらにその隣にあるのが銀座通り。ここが熱海の繁華街と呼ばれている。

毎年6月、糸川の遊歩道にはブーゲンビリアが咲く(写真:konatu/PIXTA)

「熱海でおいしくて安い海鮮を食べたいけれど、どこかない?」とよく聞かれるが、正直困ってしまう。新鮮でうまい海鮮を出す店は多いものの、安いかといわれるととたんにハードルは上がる。熱海の食事処は今、どこも値段が高騰しているのだ。

そこで少し角度を変えて筆者がおすすめしたいのが、魚屋のイートイン的な食事だ。たとえば、糸川沿いにある「村越魚店」。対面販売の魚屋で、ショーケースには水揚げされたばかりの魚や、さばきたてほやほやの刺身が発泡スチロールの皿に盛られて売られている。

噂を聞きつけ、村越魚店に立ち寄る観光客も増えてきた(写真:筆者撮影)

この店で購入したものは、横にある簡易テーブルで食べることが可能。ピクニック気分で村越の刺身をつまみに酒盛りする光景もよく見かける。

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【あるようでない、熱海名物の揚げワンタン】

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