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松阪牛を「回す」という狂気…日本で唯一の「回転焼肉」チェーンは、なぜ26年潰れずに続くのか?

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松阪牛
回転レーンを流れる「肉の芸術」松阪牛(写真:筆者撮影)
  • 山田 智子 フリーライター・カメラマン
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「うちは大衆的な店やで」

高級焼肉の代表格、A5ランクの松阪牛が大衆的? 昨年末に開催された「松阪牛の女王」を決める品評会で最高位に輝いた牛は、なんと5259万円の値がついた。まごうことなき、高級品。「肉の芸術」と称される日本三大和牛だ。

淺井さんの語る「大衆的」であるという真意を測るべく、引き続き言葉に耳を傾ける。

回転寿司ブームの時代に、回転「焼肉」も

そもそも、淺井さんが「焼肉を回転させる」というアイデアを思い付いたのは1999年のこと。

淺井さんの父が1962年に「ホルモン専門店」(現:一升びん平生町店)として創業した店は、淺井さんの兄も加わりカルビやロースを扱う2号店を展開し、さらに順調に店舗数を増やしていた。そこに東京で働いていた淺井さんも帰郷して加わった頃、購入した松阪市宮町の土地に5店舗目を出そうか検討していた。

「人口10万人の小さな都市で5店舗もしたら、お客さまの取り合いになってしまう。だから、ちょっと変わった趣向でしようかな」と回転寿司がブームになっていたのを見て、「それに引っ掛けて、回転焼肉をしよう」と思いついたのだ。

単に目立つことをしたかったわけではない。その根底には、松阪牛の魅力を余すところなく伝えたいという思いがあった。

2000年代初頭は、焼肉といえばカルビとロースが不動のツートップ。希少部位は、高級店以外ではあまり提供されていなかった。

カルビは2026年現在も王道の人気。こちらは一升びんで提供されている松阪牛カルビ825円(税込)(写真:筆者撮影)

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【「大衆的」な価格帯の店であることへのこだわり】

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