ただし、それを採用するかどうかは現場次第。あくまで選ぶのは店舗であり、本部が一律に方向を決めることはない。本部は情報をつなぐハブとなっているのだ。現場の主体性と、全体の質。その両立を支えているのが、この仕組みだ。
淡路島で見た、「人ありき」の現場
では、こうした仕組みの先に、どのような店が生まれるのか。その答えを確かめるために、筆者は淡路島のレストランを訪れた。
コンテナのような建物の脇にある階段を上がると、一気に視界が開ける。目の前に広がるのは、水平線まで続く海。その手前にはデッキ席が広がり、海岸線に沿うようにテーブルが並んでいる。
店内には、ベッドのようにゆったりとしたソファー席が配置され、客席は約300席。全体にゆとりがあり、どこか南仏で訪れたレストランを思わせる雰囲気が漂っていた。
筆者は家族とともに、店内のソファー席に腰を下ろした。周囲には、カップルや家族連れ、友人同士のグループ。観光地の店ではあるが、平日ということもあり、さほど人は多くない。
ランチセットを注文した。パスタとピザを選ぶと、かぼちゃのサラダとオニオンスープが付いてくる。しっかりとしたボリュームだ。ピザには淡路島産のブロッコリー、パスタには同じく淡路島産の玉ねぎが使われている。素朴だが、満足感のある味だった。
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【バルニバービが描く「良い店」の条件とは】
