全国に106店舗あるネットワークを活かしながら、その人が最も力を発揮できる場所へと配置を検討している。形式的な教育制度ではなく、実践の中で役割を変え、環境を変えながら成長を促している。その積み重ねが、個人の力を引き出していく。
その柔軟さこそが、バルニバービの特徴と言える。
現場への徹底した権限移譲
少し話は戻るが、店の立地が決まり、チームが動き出した後、運営はどのように進んでいくのか。
そこで徹底されているのが、現場への大胆な権限移譲だ。
店舗がオープンした後は、メニュー開発や仕入れ、日々の運営に関わる意思決定のほとんどが現場に委ねられる。店長やシェフは、それぞれの店を任された「経営者」として、自ら考え、判断し、店をつくり上げていく。
本部は、それを管理・統制する存在ではないという。あくまで現場を支える立場に徹する。例えば、専門性の提供だ。総料理長やソムリエ、デザイナーといった専門スタッフが、食材やワイン、空間づくりに関する情報を収集し、各店舗に対して提案を行う。
総料理長は、全国のこだわりの食材を扱っている農家や牧場へ足を運ぶ。そして、実際に話を聞き、試食をして「これぞ」という食材や取引先を店舗に共有する。
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【淡路島のレストランを訪問した筆者が見た光景】
