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ビジネス #外食ビジネスのハテナ特捜最前線Ⅱ

11店舗全撤退、上場も断念…"どん底"からバルニバービを再生した「キャリアパスなし」「手をあげた人で造る」人材の方程式

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兵庫県・淡路島「GARB COSTA ORANGE」ピザを作る従業員の久保仁さん
兵庫県・淡路島「GARB COSTA ORANGE」ピザを作る従業員の久保仁さん(写真:筆者撮影)
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この経験を経て、バルニバービは原点へと立ち返ることになる。現場を起点に、一つひとつの店をつくっていくというやり方だ。そうして、同社は再び成長軌道へと向かっていった。

手を挙げた人間が、店をつくる

どん底から立ち返ったバルニバービは、その後売り上げ143億円(2025年7月期)、全国106店舗まで成長した。その原動力は何か。代表取締役社長の安藤文豪さんの答えはシンプルだった。

代表取締役の安藤文豪さん(写真:バルニバービ提供)

「『食』って、絶対必要なものじゃないですか。人と話しながらゆっくりご飯食べて、また明日からも頑張ろうって、それが根本的な部分だと思っているので、流行とかは追いかけないです」

流行や効率、スピードを優先するのではなく、その場で必要とされる価値を丁寧に積み上げていく。その原点の中心にあるのが、食の時間を通じて 「人が活きる状態」をどうつくるか、という発想だ。

その考え方は、出店のプロセスにもはっきりと表れている。一般的に新規出店は、本部主導で業態やコンセプトが設計され、それに沿ってメンバーがアサインされることが多い。 しかしバルニバービでは、そのやり方を取らない。

「こういう物件がある」「一度見に行ってみないか」

そんな情報が社内に共有されると、興味を持ったスタッフが自ら手を挙げて現地に向かう。いわゆる「この指とまれ」の方式だ。志願したメンバーを起点に、出店のプロジェクトが動き出していく。

兵庫県・淡路島「島食堂 旨い海」(写真:バルニバービ提供)

「出店候補の現場に足を運ぶと、そこには初めて顔を合わせる店長希望の人や、料理人が集まっていることも珍しくないんです。『勉強になると聞いて来ました』とか言って、関係ないのに来ている人もいます(笑)」

最初は、軽い興味から手を挙げたメンバーも多く、初対面で言葉を交わしながら、店づくりのイメージを膨らませていくという。

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【自ら関わろうとする人たちが集まり、その土地と向き合う】

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