
マサバ資源は、太平洋で漁獲される太平洋系群と、日本海や東シナ海などで漁獲される対馬暖流系群の2系統に分かれます。太平洋側では、獲りすぎによって極度の不漁となっていますが、九州や、鳥取県境港市の境港では、4月下旬に1日1000トンを超えるサバの水揚げが報告されています。
たとえば、4月20日には極小サバ主体・豆サバ主体で1229トン、4月22日には極小サバ・豆サバで958トンの水揚げがあったという報告がネットで見られました。境港市の市役所では、1日1000トンを超える水揚げがあると大漁旗が掲げられます。
ところで、その大漁の魚のうち、何割が食用に回るのでしょうか。ちなみに、ノルウェーサバは毎年99%が食用です。上の表とグラフを見ていただきたいのですが、ノルウェーでは昨年、400〜500グラム主体の水揚げだったため、おおよそ6〜10歳前後で、当然ながらすべて成魚、つまり3歳以上が漁獲されています。
一方で、九州や境港で水揚げされているサバは、0〜1歳のサバの幼魚が大半です。もちろん、400〜500グラム前後の食用サバも混じりますが、その比率がかなり低いことは、ローソク、極小サバ、豆サバといったネットでの水揚げ報告から容易にわかると思います。
「将来より明日の魚」で消えていく
サバをはじめ、次々に魚が獲れなくなってしまい、漁業者、加工業者、流通関係者など、資源管理の問題に気づいた方々から、「いったいどうしたらよいのか」という質問がよく届きます。誰も成長乱獲を止められない。このままでは、海外では成長産業になっていても、日本では魚を獲りすぎて消してしまうため、漁業も水産業も明るい将来など見通せるはずがありません。
資源管理が十分に機能しておらず、小さな魚まで獲りすぎてしまい、魚がいなくなっていることは、漁業者の皆様をはじめ、十分に理解されているはずです。しかし、成長乱獲を止められない。「魚は減っていない」「日本の資源管理はすばらしい」「悪いのは海水温上昇や外国船のせいだ」といった耳あたりのよい言葉でミスリードされ、かえって自分で自分の首を絞めてきていることに気づき始めているはずです。
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【残された時間は長くない】
