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退去時の原状回復ゼロ「美大生などクリエイターが"住み継ぐ"」伝説のアパートに潜入してみたら…

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「アップル&サムシングエルス」
DIYし放題!? クリエイターたちが住み継ぐ“伝説”のアパートの内部を取材した(写真:相馬ミナ撮影)
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「作品」化された山本さんの部屋(写真:相馬ミナ撮影)

「帰ってきたくなる場所」になる、ということ

青木さんは、空き部屋が出たことを入居者に伝えることがある。須田さんも、現在アトリエにしている部屋が空いた際に、青木さんから勧められ借りることにした。普段のコミュニケーションの中で、入居者の状況や好みを把握しているからできることだろう。

入居者は、空き部屋を気軽に見学することもできる。“今度◯号室の人が出るよ” “じゃあ見せてください”といったやり取りも、日常の中で交わされている。

また、このアパートには、一度離れても戻ってくる人が少なくない。

「『ほかではダメでした』って、帰ってきてくれる人がいるんですよ」

青木さんは、嬉しそうにそう話す。

その代表例が須田さんで、最初の入居から15年の間に仕事の海外研修で一度離れながらも、再びこの場所に戻り、現在は2部屋を借りている。

須田さんはこの中庭に強い魅力を感じており、「やっぱりここに住みたい」と出戻ることになった(写真:相馬ミナ撮影)

空間の自由度、家賃の手ごろさ、立地の良さ。理由はいくつも挙げられるが、それだけでは説明しきれない引力が、ここにはある。

それは、人の営みを面白がり、背中を押し、ときに見守る存在がいること。部屋を貸すというよりも、人が過ごす時間を支える。そんなオーナーの姿勢が、結果として場所の魅力を強くしているように見える。

このアパートに集まる人たちは、まずは空間に惹かれ、人と触れ合うにつれ、安心できる居場所として深く根を下ろしていく。青木さんがつくっているのは、単なる賃貸住宅ではない。「楽しく暮らす」ことを中心に据えた、小さなコミュニティそのもの。

それが、唯一無二のアパートとして多くの人から愛され、長く住み継がれる所以なのだろう。

取材・文/松川絵里

■前回の記事:
美大生のための伝説のアパート、DIYし放題で“住み継ぐ”
■部屋の詳細記事:
多摩美術大学 油絵学科専攻 Iさんの部屋
医師 兼 画家・詩人・シンガーソングライター 須田さんの部屋
アクセサリーデザイナー suieさんの部屋
美術作家(多摩美術大学 油絵専攻卒) 山本武蔵さんの部屋
●取材協力
アップルアンドサムシングエルス

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