多摩美術大学を卒業したばかりの山本武蔵さんは、「生活とアートの境目をなくしたい」と、昨年7月に移り住んだ。その際、青木さんからは「壁画、描いちゃっていいよ」と言われたという。常識を取り払い、背中を押されたことで、住まいはそのまま制作の場へと変わった。もちろん、壁画は部屋全体に及ぶ勢いで拡大中だ。
美術作家(多摩美術大学 油絵専攻卒) 山本武蔵さんの部屋
創作を共有する空気が、住人同士のゆるい連帯感に
住人同士の心地よい距離感も、このアパートならではと言えそうだ。
「みんな何かしらつくっている人なので、懐が深いというか……」と山本さん。
ジャンルや世代が異なっていても、創作を軸にした共通言語がある。だからこそ、無理のない関係性が生まれる。
取材の折、Iさんが他の部屋の取材への同行を希望すると、誰もが快く承諾した。その様子にも、このアパートの空気が表れている。
Iさんと須田さんは隣同士に住みながら、顔を合わせるのは初めてだったという。実は須田さんは、以前現在のIさんの部屋に住んでいたことがある。Iさんは、須田さんの音が気になり壁を叩いたことがあると打ち明けた。
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【オーナー自身もDIYリフォームを楽しむ】
