着物もよく出てくる品の1つだが、なかなか値がつかない。買い取り業者に声をかけても、査定ゼロという話は珍しくない。色味のある着物は巾着袋などにリメイクされることもあるが、白や黒の無地のモノはほぼ売れない。
「貿易に回せそうか」「資源か」「ゴミか」と、現場では、スタッフが1点1点を手に取りながら仕分けをしている。
イーブイでは、貿易に回せるモノは基本的にすべて回すことにしている。広い倉庫を持ち、いくつかの貿易業者と提携し、週に2~3回は集荷に来てもらえる体制ができている。
「本来だったら多少きれいなモノでも、全部パッカー車で回収すれば作業は楽なんです。でも今は仕分けしないとダメ。そうしなければ、お客様の負担が大きくなってしまいます」
こうした事業モデルは、ある程度の規模がなければ成立しない。貿易に回すモノを保管する倉庫、複数の貿易業者とのネットワーク、仕分け作業のための人手。すべてを整える必要がある。
「昔みたいに3人くらいの少人数では事業にならなくなってきています。この業界では小規模業者の淘汰がすでに始まっています」
人数が少なければ人件費は抑えられるが、そのぶん1件にかかる時間が増え、1日にこなせる件数が減る。仕分けのための保管場所もなければ、貿易に回すこともできない。結果として処理コストが下げられず、価格競争でも不利になってしまうのだ。
「動かない」が片付けの最大のコツ
作業開始からたったの2時間で、全6部屋の長屋はすべて空になった。オーナーが「自分ではどうすることもできない」と依頼してきたにもかかわらず、なぜこれだけの早さで片付けが可能なのか。
その秘訣は、「むやみに動かない」ことだ。
次ページが続きます:
【「収納ケース」は片付けにとって最大の敵】
