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子どもの進路選択には「第3の大人」が必要だ【後編】――クラーク記念国際高校の生徒たちに「ミライの選択」が起こした一大変化

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高校生の“一大事”である進路選択に変化が起きようとしている(写真:metamorworks/PIXTA)
  • 山本 尚毅 日本総合研究所創発戦略センター所属
  • 山口 大輔 河合塾学校教育サポート本部学校事業推進部部長
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むしろ菊田氏は、「生徒が毎日授業を受ける教室の窓際や、渡り廊下にあるカフェテーブルといった、日常的な空間での開かれた会話を大切にしている」と話す。

そんな菊田氏と会話する生徒は、2年間で200人を突破。どんな生徒であっても、一度話し始めると、会話は毎回自然と1時間以上続いていくという。

生徒の中には、第3の大人との面談をきっかけに、大きく進路を変更した生徒もいる。

3月にクラーク国際を卒業した康介さん(仮名)もその1人だ。「月に1~2回の面談を通して、内気な自分では気づけなかった、自分が本当に行きたい進路を見いだすことができたのだと、今になって感じています」。そう語る康介さんは、四年制大学を目指す学力を有しつつも、卒業後は音楽の道に進むことを選んだ。

この4月から高3に進級した立命館慶祥の涼香さん(仮名)は、「面談を重ねていくことで、今まで内心にとどめていた思いや迷い、不安を初めて言葉にすることができました」と語る。これまで「現実的でない」と蓋をしつづけてきた建築への憧れに向き合う覚悟が決まり、デッサンも本格的に習いはじめたという。「今では、自分の進路選択に自信を持ち、後悔のないよう、最後まで頑張りたいという思いです」。

クラーク国際や立命館慶祥では、担任面談や三者面談でも「総合評価表」を導入して実績を上げている。

保護者も「家ではそこまで話を聞けていなかった」

どんなに優れた保護者や教育者の前であっても、生徒は担任面談や三者面談で、自分より年上で人生経験が豊富な大人には忖度し、本音を言えないことがある。しかし、選択肢と独自の判断基準が点数化された表を机に置くことで、生徒の率直な思いを起点に、建設的な対話が生まれる。

実際に保護者との三者面談で表を活用した教員は、「表があったことで、生徒はただ単に大人の問いかけにうなずいたり返答したりするのではなく、自分自身の言葉で話してくれました。その姿を見た保護者の方も『家ではそこまで具体的に話を聞いていなかったけれど、実はいろいろと考えていたんだ』と驚かれることもありました」と話す。

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【親子間の相互理解につながる】

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