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子どもの進路選択には「第3の大人」が必要だ【前編】――立命館慶祥中高が「1枚の表」で引き出す10代の迷い

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人生に必要な決め方はすべて「進路選択」で学べる
親子で進路の話をしようとしてもなかなかうまくいかないが……(写真:buritora/PIXTA)
  • 山本 尚毅 日本総合研究所創発戦略センター所属
  • 山口 大輔 河合塾学校教育サポート本部学校事業推進部部長
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そこで、いきなり授業に組み込むのではなく、まずは希望者にだけ、放課後にイベントで「進路選択の教室」を実施することになった。すると、クラスや学年を超えて、進路選択に悩む生徒たちが「参加したい」とつぎつぎ手を挙げたのだ。さらにイベント後は「自分の進路選択に自信を持てなかった生徒たちが、イベントに参加したことで、どんどん変わっていくのを、担任として強く実感しました」(立命館慶祥教員の吉川大二朗氏)。

生徒の変容を目の当たりにした教員らが中心となって、2025年度からは高1生・高2生全体へ向けて本格的に「進路選択の教室」を導入することになる。

「医学部に進むか、工学部にするか、それとも海外の大学に行くか。興味あることが多すぎて、全然決まってなくて……」。1枚の表を前に、生徒の綾音さん(仮名)が静かに口を開いた。

進路選択の教室では、「進路選択表」と呼ばれる表を1人ひとりがつくり、自分の考えを表現する。表を使って綾音さんが話す相手は、先生でも保護者でもなく、第3の大人である北海道大学スタッフの菊田隆一郎氏だ。

表の縦軸には、綾音さんが関心のある学部が4つ並んでいる。横軸には「自分がやっていて楽しいか」「社会貢献」「世界とつながれるか」「学部横断が多いか」という、綾音さん自身が悩み抜いて書いた4つの判断基準が並んでいる。

「綾音さん、この『世界とつながれるか』というのは?」。菊田氏からの問いに、綾音さんが答える。「海外研修でいろんな同世代や大学生と会って、大人になっても世界とつながれる環境にいたいと思ったんです」。

「迷い」を言葉にできない子どもたち

2人の会話の様子は体育館のスクリーンに映し出され、300人近い同級生がじっと耳を傾けている。進路選択の教室での実際のやりとりを録画し、紹介する試みだ。

綾音さんは数学が得意で、将来はきっと国公立大学の理系学部を志望するに違いない――。周りの同級生や先生の多くがそう思っていた。しかしそんな綾音さんも、実は迷いを抱えていたのだ。

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【日本の高校生は将来不安が強い】

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