研究では958名の高齢者に対し、マルチビタミンもしくはプラセボを2年間毎日服用してもらい、生物学的年齢の変化を比較しました。結果、マルチビタミン群のほうが、プラセボ群より、GrimAgeという生物学的年齢の指標の増加が0.11年、PhenoAgeという別の指標の増加が0.24年少ない結果となりました。これにより、直接的にマルチビタミンが生物学的年齢の上昇を抑えることが示されました。
また、開始時に生物学的年齢が実年齢より高い、つまり老化が進んでいる人だけに絞ると、マルチビタミンの効果がより強く認められました。
たった2年のサプリ摂取が老化の対策になった
この研究の解釈として気をつけるべき点としては、対象者がアメリカ在住の高齢者(平均70歳)であり、多くが白人のため、日本人ではどうなのかはわからない、というものが挙げられます。実際食習慣はアメリカと日本では大きく異なるため、マルチビタミンの影響が異なる可能性もあります。
ただ、今回の研究の参加者のなかでは、食習慣によりマルチビタミンの効果はほとんど変わりありませんでした。また、特定のマルチビタミンだけを検証したものであり、他の種類のサプリについては言及できません。
しかし、このようなエビデンスは非常に重要で、安価な介入(この場合マルチビタミン)により老化を予防できるというのはインパクトの大きい話です。たった2年間のサプリ摂取が老化の対策になったというエビデンスは、長く健康でいたい方にとって朗報かもしれません。
食習慣の改善法とあわせ、サプリのエビデンスにも興味を持っていただくことで、より健康的な生活習慣への第一歩となるはずです。
(※1) Hamaya R, Li S, Chen BH, et al. Longitudinal changes in epigenetic measures over 2 years: methodological implications. Geroscience. Published online November 11, 2025. doi:10.1007/s11357-025-01990-2
(※2) Vyas CM, Manson JE, Sesso HD, et al. Effect of multivitamin-mineral supplementation versus placebo on cognitive function: results from the clinic subcohort of the COcoa Supplement and Multivitamin Outcomes Study (COSMOS) randomized clinical trial and meta-analysis of 3 cognitive studies within COSMOS. Am J Clin Nutr. 2024;119(3):692-701. doi:10.1016/j.ajcnut.2023.12.011
(※3) Li S, Hamaya R, Zhu H, et al. Effects of daily multivitamin-multimineral and cocoa extract supplementation on epigenetic aging clocks in the COSMOS randomized clinical trial. Nat Med. Published online March 9, 2026. doi:10.1038/s41591-026-04239-3
