ここでは、メチル化の程度自体に注目します。このパターンからどの程度生活習慣や環境の影響をうけてきたかということがわかるため、それから「どれだけ死亡までの期間が短いか」ということを計算できるのです。
最近では、生物学的年齢として、その程度を年齢のように示すアルゴリズムが提唱されています。たとえば、実年齢が60歳でも、メチル化DNAのデータからは生物学的年齢が70歳だった、という事例もあり、その人は食事・睡眠・運動・喫煙などがいままで悪かったことを示唆します。
このように生物学的年齢は「老化の指標」として使うことができます (※1)。通常の年齢と同様に、生物学的年齢もだんだん上がります。この上昇の程度を抑えることができれば、老化を予防することができたといえます。
マルチビタミンサプリへの期待
マルチビタミンサプリ、と一口にいってもいろいろな種類があり、近年その健康効果がいろいろと明らかになってきています。
私たちの研究室でよく検証しているものはHaleon社のCentrum Silverというサプリです。これを用いた最近の研究で、高齢者に対し認知機能低下の予防効果が示されています(※2)。
食事の健康への効果は立証されており、マルチビタミンは食事で摂取できる主要な微量元素をいろいろ含んでいます。食事のかわりにはなりませんが、サプリは医師の処方する薬のように効果検証ができるため、科学的な興味の対象になっています。
今回の研究では、マルチビタミンの、メチル化DNAに基づく生物学的年齢への効果を検証しました(※3)。
次ページが続きます:
【効果が出やすいのはどんな人か】
