日常生活のなかで気づく「小さな違和感」が積み重なっていくと、ある時点で「変わらなければいけない」という深刻な気持ちへと変わっていくのです。
「変わりたい」という思いは、理想を目指すというよりは、生きづらさや適応できなさに対してどうするか、という対処でもあるのです。
人間関係がうまくいかない、挑戦の機会を逃してしまう、不安に振り回されるといった経験が繰り返されると、その苦痛が変化への動機づけへと変わっていきます。苦痛が、具体的な行動の変化へと向かうエネルギーになるのです。
もっとも、不満や苦痛は、諸刃の剣でもあります。
過剰な自己否定は、「どうせ自分はなにをしても変われない」という無力感につながることがあります。おそらく重要なのは、いまの自分を全面的に否定するのではなく、「どこにズレを感じているのか」「どの性格が自分のやりたい方向性と合っていないのか」をよく考えてみることです。
それまでの自分ではとらないような新しい行動をしてみたときに、他の人からネガティブな反応が返ってくると、「やっぱり自分らしくない」と感じてしまいます。また、慣れない場所で無理な振る舞いをすると、どっと疲れが出てしまい、「やっぱりこういう場所は自分には向いていないんだよな」と再確認することになってしまいます。
性格が変わるために必要な条件
こういった行動と結果の解釈が積み重なっていくと、自分がもつ性格特性に合致する行動が、どんどん強まっていきます。その結果、性格が安定していきます。
つまり、性格が変わるためには、いくつかの条件が必要になるのです。
第1に「頻度」です。
これは、似たような状況に繰り返し直面することです。一度だけ勇気を出して発言してみても、まだそれは「例外的な出来事」にすぎません。同じような場面を経験したときに、「また発言することができた」という経験が繰り返されていくと、それが「いつものパターン」として積み重なっていくのです。
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【2番目、3番目の条件】
