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「結婚して落ち着いた」「社会人になって責任感」はイメージにすぎない? 心理学者が解き明かす性格を変える"本当の条件"

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性格は変えられるのか - いまの自分を好きになれない人へ -
多くの人は、「自分の性格は決まっている」と思いがちです(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)
  • 小塩 真司 早稲田大学文学学術院教授
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第1に、ボトムアップ・アプローチです。

日々の具体的な行動を意図的に変えて、それを繰り返し、習慣化することで、「自分はこういう行動をとる人間だ」という認識があとから作られていくことを指します。

第2に、トップダウン・アプローチです。

こちらは「自分はどういう人間なのか」という認識を先に変え、そのストーリーにふさわしい行動を選び取っていくことで変化を生じさせるというアプローチです。

ここでは「性格を変える」という、どちらかというと意図的な変化のほうに焦点を当てていきたいと思います。

なぜ「性格を変えたい」と思うのか

皆さんは自分の性格を変えたいと思っているのでしょうか。そもそも、どうして私たちは「性格を変えたい」と思ってしまうのでしょうか。

多くの人は、「自分の性格は決まっている」と思いがちです。性格はある程度、安定しているとは思いながらも、その一方で、多くの人が自分の性格を変えたいと思っているようでもあるのです。

アメリカの心理学者、ハドソンとロバーツの研究によれば、人は「すでに十分に持っている特性」よりも、「自分には足りないと感じている特性」を強く求める傾向があるようです。

内向的だと感じている人ほど外向性を望み、不安を感じやすい人ほど情緒的安定を望みます。つまり、「変わりたい」という願望は、理想の追求というよりも、現状への不満から生じることが多いといえるのです。

この「不満」は、単なる気まぐれで生じるものではありません。

発達心理学者のバウアーたちは、大きな人生の転機が訪れる前には、「不満の結晶化」と呼ばれるプロセスが生じることを指摘しました。

現在の自分の姿に対して違和感を覚えたり、否定的な感情を抱いたりすることが次第に蓄積していくと、やがて「このままではいけない」という意識につながっていきやすいのです。

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【「変わりたい」という思う背景】

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