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「粗利の二極化」が鮮明に 18万社調査で分かったコスト高でも"勝てる企業"の実態【2025年最新版】

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(写真:maroke)
  • 平島 由貴 東京商工リサーチ 情報本部経済研究室
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農・林・漁・鉱業は、肥料・飼料などの原材料価格や燃料費の上昇が重荷になっている可能性が高い。不動産業は、企業数の多い賃貸、管理などで収益が比較的安定しやすい半面、もともとの粗利率水準の変動が小さく、物価高局面でも改善余地が限られた可能性がある。

運輸業は10産業の中で変動が目立つ。19年の18.6%から21年に7.5%まで大幅に落ち込み、低迷が続いたが、足元の25年は18.5%まで回復した。

粗利の伸び率が原価の増加率を上回った産業の構成比で、25年に最も高かったのは運輸業の30.9%だった。次いで、製造業が25.5%、卸売業が22.2%、農・林・漁・鉱業が20.8%で続いた。

運輸業は1207社(構成比30.9%)で、10産業の中で唯一3割を超えた。全体の粗利率はコロナ前に届かないが、運賃改定や価格交渉の進展によって、コスト増を上回るペースで粗利を確保できた企業が多かったとみられる。

一方、不動産業は628社(同13.6%)で最も低く、サービス業他も4405社(同16.3%)にとどまった。物価高への対応力には産業ごとに差が表れている。

(出所:東京商工リサーチ)

好調業種と苦戦業種の違いが鮮明

対象企業が20社以上の業種の中で、売上高と粗利がともに増加した企業の構成比をみると、最も高かったのは宿泊業で77.1%だった。次いで、道路旅客運送業72.0%、水道業70.8%、その他のサービス業70.8%、鉄道業70.7%と続いた。総じてコロナ禍が直撃した一方で、人流回復や料金改定の影響が浸透しやすい業種だ。

(出所:東京商工リサーチ)

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【公共性が高い企業は、価格競争にさらされにくい】

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