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「粗利の二極化」が鮮明に 18万社調査で分かったコスト高でも"勝てる企業"の実態【2025年最新版】

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(写真:maroke)
  • 平島 由貴 東京商工リサーチ 情報本部経済研究室
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次に、売上高と粗利がともに増加した増収増益の企業数を算出した。増収増益企業は、25年は7万7653社(構成比43.3%)と4割ほどを占めている。

コロナ禍で経済活動が落ち込んだ21年は5万6830社で同31.7%と低迷したが、その後、経済活動の正常化が進んだ22年は8万423社(構成比44.9%)まで回復した。

ただ、物価高で家計の節約志向が強まったことに加え、値上げ効果も一巡し、足元では増収増益の企業がやや減少している。全体の平均売上高や平均粗利は改善しているが、売上高と粗利がそろって伸びた企業数は減少。一部の企業が平均値を牽引しており、企業全体には好調さが広がっていないようだ。

増収増益企業のうち、粗利の伸び率が売上原価の増加率を上回った企業は、25年で3万5363社(構成比19.7%)と、全体の2割弱にとどまった。コスト増を上回るペースで収益を積み上げられた企業は限られており、物価高への対応力には企業間で濃淡がみられる。

(出所:東京商工リサーチ)

小売り・サービス業他で改善、運輸業は持ち直し途上

産業別の粗利率で25年に最も高かったのは小売業の32.3%だった。次いで、サービス業他が31.9%、情報通信業が28.4%で続いた。一方、最も低かったのは卸売業の11.7%で、このほか建設業17.7%、運輸業18.5%も20%未満だった。

コロナ禍前の19年から改善が目立ったのは、サービス業他、小売業だった。25年の粗利率は、サービス業他が19年の25.5%から6.4ポイント上昇し、小売業も29.3%から3.0ポイント上昇した。この2産業は、店舗運営費や人件費などの販管費負担が重く、本業収益を確保するうえで一定の粗利率が求められる点が特徴だ。

一方、コロナ禍前の19年から低下したのは、農・林・漁・鉱業と不動産業、運輸業だった。

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【不動産業は、物価高局面でも改善余地が限られた】

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