「REDMAGIC」のような高価格・最高性能モデルと、購入しやすい「POCOシリーズ」に加え、第三のゲーミングスマートフォンとして「Neo 5 GT」は独自のポジションを築き上げることができるかもしれない。
iPhone主流の日本での奮闘に期待
日本市場はiPhoneのシェアが過半数を占めるという、世界的に見ても特異な状況にある。この背景には日本固有の通信事業者による販売モデルが深く関わっており、iPhoneを含むハイエンドスマートフォンを大幅な値引きで提供してきた歴史がある。
ただし、過度な値引きは総務省の規制対象となり、現在では端末を2年後に返却する条件で月々の支払いを軽減するプランが一般的となっている。
中高生でもiPhoneを容易に入手できるのは日本市場の特徴である。そのため、価格性能比に優れたスマートフォンが登場しても、定価ではなく実際の支払額で比較した場合、iPhoneの実質的な価格競争力は極めて高いといえる。
このような特殊な市場環境でゲーミングスマートフォンの販売を拡大するには、iPhoneでは得られない明白な優位性が必要不可欠である。例えば、長時間にわたるゲームセッションでの温度制御と性能安定性は、iPhoneが熱による性能低下を起こす状況において明確な強みとなる。ゲームプレイにおける優位性を具体的に示すことが求められるだろう。
また価格施策も重要な要素である。5万2800円という設定価格は、MVNOと呼ばれる格安通信サービス事業者との提携により、さらに入手しやすい水準で提示できる可能性がある。大手通信事業者がこぞって展開するiPhoneの値引き販売に対抗するには、より魅力的な価格提示が必須といえる。
さらに実際の製品に触れる機会の創出も求められる。ゲーミングスマートフォンは、冷却ファンの動作や側面操作ボタンの触感など、実際に体験してこそ価値が理解できる製品である。オンライン販売チャネルも重要だが、実店舗でのゲームプレイ体験を通じて、製品の魅力をより効果的に伝えることができるだろう。
ASUSの「ROG Phone」が事実上市場から退場したことで、日本のゲーミングスマートフォン市場を牽引するのは「REDMAGIC」と「Neo 5 GT」を擁するZTE・nubiaとなった。
「Neo 5 GT」が「過度に高価でないゲーミングスマートフォン」という立ち位置を確立することで、一般的なゲームプレイヤーが手軽に本格的なゲーミング体験を得られる製品として認知されるはずだ。iPhone一強という特殊な環境下にある日本市場で新たなカテゴリーを切り拓こうとする挑戦だけに、ZTE・nubiaには大いに奮闘してほしい。
