一方、ASUSの「ROG Phone 9 Pro」も同等クラスのチップセットを採用した高性能モデルである。ディスプレイは最大185Hzの高速更新に対応し、背面には多彩な発光パターンでゲームプレイを演出するLED照明システムを搭載している。
ところが26年1月、台湾の報道機関がASUS会長の発言をもとに「今後スマートフォンの新モデルを投入しない方針」や「スマートフォン開発の無期限休止」を報じた。26年4月時点で新製品の発表がないことから、同社のゲーミングスマートフォンは今後展開されない可能性が極めて高いといえる。
モバイルゲーム産業は、現在ゲーム業界全体を牽引する最大の市場セグメントへと成長しており、その規模は1000億ドルを超え、着実な拡大を続けているとされる。競技性の高いタイトルやクラウドゲーミングの浸透により、スマートフォンを「携帯型ゲーム機」として活用する層も増加している。
この動きの中で、これまで限られた愛好家向けの製品だったゲーミングスマートフォンが、より広い層へと訴求する主流の選択肢へと変化していく余地は十分にあるといえる。
その一方で、最先端のチップセット採用、高性能ディスプレイ搭載、大容量バッテリー実装、高度な放熱機構など、ゲーミングスマートフォンは最新技術の結晶であることが求められている。
その代償として、価格の高止まりが普及の妨げとなっているのも否めない事実である。「REDMAGIC 11 Pro」の中核モデルの価格は約16万円、「ROG Phone 9 Pro」は約19万円となる。
シャオミの成功が刺激
これら高価格なゲーミングスマートフォンに対して、コスパの高いスマートフォンや家電を多数展開しているシャオミから、「POCO」シリーズのスマートフォン販売されている。同シリーズはゲーミング用途も考慮した仕様となっており、手頃な価格を維持しながら高速表示対応ディスプレイや大容量バッテリー、効率的な放熱構造を実装している。
ミドルクラスのモデルは手ごろな価格で、ゲームプレイヤーにも訴求できる製品として認知度を高めており、「専用ゲーミング機ほど本格的でなくとも、ゲームを快適に楽しめる手頃な価格のスマートフォン」という潜在需要が確かに存在することを市場で実証したのである。
「Neo 5 GT」は、この「POCO」の市場での成功を踏まえて日本へ導入された製品とも解釈できる。「価格性能比を重視したゲーミング志向スマートフォン」という市場セグメントが今後拡大すれば、「Neo 5 GT」にとって大きなビジネス機会になるはずだ。さらに「POCO」が備えていない空冷ファンという物理的な差別化要素も持ち合わせている。
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