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ソフトバンク「Natural AI Phone」は、"アプリを使わない"スマホ時代到来の先駆けとなるか

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AIエージェントスマホ
AIエージェントスマホが登場(画像:ソフトバンクのWEBページより)
  • 山根 康宏 携帯電話研究家・ジャーナリスト
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普通の眼鏡と変わらぬ大きさのAIスマートグラス(写真:筆者撮影)

ワイヤレスイヤホンもまた、日常会話の延長でAIエージェントに指示を出し、その場で返答を受け取るインターフェースとして、常時装着する価値が高まりつつある。歩きながら「さっきの会議のメモをまとめて、チームに送っておいて」とつぶやくだけで、エージェントがメールやチャットツールを使って処理を進める、といった使い方も現実味を帯びてきた。

もっとも、スマートグラスやワイヤレスイヤホンは、現時点では高負荷な処理やアプリ実行環境といった点でスマートフォンの処理能力には及ばない。エージェント機能も現時点ではスマートフォン単体と同等のことをすべてこなせるわけではない。

そのため当面は、スマートフォンのAIエージェントの「目」や「耳」として補佐役を担い、組み合わせて使うことで日々の生活や仕事をさらにスムーズにしていく、という関係が続くだろう。

AIエージェントが開く次のスマホ時代

AIエージェントの登場によって、スマートフォンは「アプリを使う端末」から「行動を委ねるパートナー」へと進化しつつある。ホーム画面の見た目も「アプリを並べた板」から大きく変わる。ソフトバンクのAIエージェントスマホは、その変化を日本市場で可視化する最初の一歩となるだろう。

海外の事例を含めて見れば、これからのスマートフォンはアプリ利用ありきではなく、ユーザーの前面に立つのはAIエージェントになっていくだろう。つまり「スマートフォンと対話」することが標準動作となり、アプリは裏側でサービスを提供する存在へとなっていくかもしれない。

ドイツテレコムが開発中のAIエージェントスマホ(写真:筆者撮影)

ただしAIエージェントスマートフォンも完璧な製品ではない。特に情報の信頼性や責任、ユーザーのプライバシーデータの取り扱いなど、解決すべき課題は多い。それでも一度「やりたいことを自然な言葉で伝えるだけで、日常の雑務が片付いていく」体験を知ってしまえば、多くの人は元には戻れないだろう。

AIエージェントスマートフォンとウェアラブルデバイスが組み合わさることで、私たちの生活は静かに、しかし確実に変化していくはずだ。

アップルの「iPhone」が2007年に登場後、スマートフォンはアプリとともに進化を進めてきた。しかしその時代は終わりを迎えつつあるのかもしれない。次に訪れる「AIエージェントの時代」がようやく現実の輪郭を見せ始めたのである。

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