AIエージェントスマートフォンは、まさにこうした環境があるからこそいち早く誕生できたとも言える。
すでにアプリ間連携が可能なプラットフォーム上で、必要な機能を自在に組み合わせて呼び出すことで、多くの作業をまとめて処理できるからだ。AIがその窓口役を担うことで、ユーザーはアプリを意識せず、やりたいことだけを伝えればよい世界が現実味を帯びてきたのである。
「M153」のAIエージェント機能は、いままさに進化の途上にある。対応できるアプリやサービスの幅、ユーザーの嗜好を踏まえた提案のきめ細かさなど、解決すべき課題はまだ少なくない。現状は実際の利用状況やユーザーからのフィードバックを吸い上げながら、製品そのものを更新し続けていく段階だと言える。
ソフトバンクもNatural AI PhoneのAIエージェント機能を、ユーザーとともにブラッシュアップし続けるはずだ。ニーズをどう形にしていくかを探りながら機能を磨き上げることで、少しずつ完成度を高めていく。
そして、これまでのスマートフォンとはまったく異なる使い方を前提とした新世代のスマートフォンをいち早く仕上げ、次世代スマートフォン市場での主導権をつかもうとしているのだろう。
アプリ不要でスマホ体験はどう変わるか
AIエージェントスマホの核心は「アプリを意識しなくて使える」という点にある。従来のスマートフォンはアプリのアイコンをホーム画面に並べ、ユーザーが自分で選んでタップする設計が前提だった。どのアプリがどの機能を持ち、どのボタンを押せば目的に辿りつけるのか、ユーザーが学習する必要があった。
だがAIエージェントスマートフォンでは「何をしたいか」を自然な言語で伝えればよく、「どのアプリを使うか」はユーザーではなくAIが判断する。スマートフォンの操作方法が、「アイコンを探す・タップする」から「スマートフォンとの対話」へと変わるのだ。
この変化はスマートフォンのホーム画面の見た目も激的に変えていく。これまでのホーム画面は頻繁に使うアプリのアイコンを最前列に配置したり、フォルダで整理することが常識だった。
これに対してAIエージェントの使い方は、AIへの入り口があればよい。たとえばスマートフォンのホーム画面には対話用のウィンドウがあるだけでもいいのだ。アイコンをぎっしり敷き詰めたホーム画面は、数年後には「昔のスマホらしい画面」として語られるようになるかもしれない。
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【アプリ開発者側に突きつけられる「新しい前提」とは】
