東洋経済オンラインとは
ライフ #小さく暮らす

「狭小住宅が若者に大人気!」とメディアが盛んに報じているが…25m²・6畳1Kに夫婦で暮らす"プロ"が警鐘を鳴らすワケ

8分で読める
小さく暮らす
筆者は希望エリアに予算内の住居費で住むため、25m²・6畳1Kで夫婦2人と中型犬で暮らしている(写真:筆者撮影)
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

「特殊な条件」「のっぴきならない事情」が重なったことで、25m²・6畳1Kの狭小マンション暮らしを選んだ我々夫婦。それ以前も30m²の部屋に2人で住んでいたこともあり、言ってしまえば「ちいさ暮らしのプロ」なのでそれなりに楽しく暮らしています。

しかし、それでもふとした瞬間に「やっぱり狭いなぁ……」と、天井を仰ぐことがあるのが実際のところです。

狭さのメリットをうたう私が、今の流れは危険だと思うワケ

以前暮らしていた30m²の住宅。キングサイズのベッドを配置しても、十分な居住空間を確保できていた(写真:筆者撮影)

私はこのエッセイを通じて「小さく暮らすメリット」を発信していますが、「狭い家も良いところいっぱいあるよ」と伝えています。ただし、極端に狭い住まいでの、無理を前提にした暮らしは心身をすり減らすばかりだと思います。

持ち物の量に合わせて家を広げるのをやめ、荷物を見直して暮らしを小さく整えるという選択は、あくまで『快適さ』を維持するための手段であって、修行が目的ではありません。

むしろ、最低基準を下回る25m²の極小物件で暮らして痛感したのは、「国がかつて定めていた『最低居住面積水準』の数値は、恐ろしいほど適正だった」という事実です。

実は、今の家に引っ越す前、私たちは「2人暮らしの最低居住面積水準」とぴったり同じ、30m²の部屋に住んでいました。たった5m²(約3畳)の違いですが、あの時は今のような閉塞感もなく快適に暮らすことができていたのです。

両方に住んでみたからこそ、実体験をもって声を大にして言いたい。かつての数字は、机上の空論ではなく「ガチ」だと。「住める」ことと「快適に暮らせる」ことは別です。その違いを曖昧にしないでほしいのです。

6畳間の家具は最低限。幅1mのテーブルが食事も仕事も団欒も兼ねている(写真:筆者撮影)

なお、今回論拠とした「新たな住生活基本計画(全国計画)概要」では、国は最低居住面積水準という概念自体を消したわけではありません。しかし、国の成果指標(KPI)のリストから外しています。つまり、「多様性」の名のもとに、最低水準の担保が相対的に後景に退いたとも言えます。

本当にそれでいいのか。多くの人が狭い部屋に暮らすことで、誰か得をする人が別にいるのではないか……狭い部屋に暮らすプロだからこそ、しっかり警鐘を鳴らしたい変化でした。

次ページが続きます:
【25㎡で夫婦で暮らす…「狭いなあ」と感じる?その他の写真】

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象