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いったんフラッグシップを捨てたスマホメーカーNothing、普及価格帯に全振りしてブランドを作り直す戦略の成否

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Nothing Phone
Nothing Phone (4a)のピンク。背面のガラスを通して内部構造が透けて見える(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター

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スマートフォンの背面が透けている。内部の基板やバッテリーの輪郭が見え、背面のLEDが通知のたびに光る。イギリス・ロンドン発のスタートアップ、Nothing(ナッシング)の製品を初めて手にした人は、まずその外見に驚く。iPhoneのシェアが5割を超える日本市場で、デザインの力だけで若い世代のファンを増やしてきたブランドだ。

そのNothingが4月15日、都内で新製品発表会を開き、「Phone (4a)」と「Phone (4a) Pro」の2機種を披露した。価格は5万8800円から。同社は2026年、最上位モデルの新機種を出さないと宣言している。代わりに普及価格帯の製品を最上位に近い水準まで引き上げ、販路を広げ、ブランドを浸透させる。デザインで名を売ったスタートアップが、持続的なブランドへと脱皮を図る1年だ。

ロンドン発、デザインで勝負する戦略

Nothingは20年、カール・ペイ氏が設立した。ペイ氏は中国のスマートフォンメーカーOnePlusの共同創業者で、高性能な製品を手頃な価格で届ける手法で実績を積んだ人物だ。「テクノロジーを再び楽しいものにする」を掲げ、性能の数字を競うのではなくデザインと体験で差別化する路線を選んだ。

会場に展示されたデザインスケッチの壁。製品の背面デザインが何十通りも検討された過程が見える(写真:筆者撮影)
【写真を見る】いったんフラッグシップを捨てたスマホメーカーNothing、普及価格帯に全振りしてブランドを作り直す戦略の成否(9枚)

ファンコミュニティからの出資を受け入れ、取締役会にコミュニティの代表を参加させるなど、経営の透明性にもこだわる。スマートフォンのほか、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンも展開し、累計売上高は25年に10億ドル(約1500億円)を超えた。インドが最大市場で、日本や西欧でも急成長している。

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【「メモリが3倍に高騰している」】

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