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いったんフラッグシップを捨てたスマホメーカーNothing、普及価格帯に全振りしてブランドを作り直す戦略の成否

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Nothing Phone
Nothing Phone (4a)のピンク。背面のガラスを通して内部構造が透けて見える(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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今回さらにKDDIが加わった。Phone (4a)はKDDIが新設したSIMフリーブランド「au Flex Style」として、au Online ShopやKDDI直営店で5月8日から販売する。Phone (4a) Proは楽天モバイルの独占販売で、4月22日に発売する。黒住氏は「楽天さんとはオープンに話をしていて、Proが一番フィットするとお互いすぐにピンと来た」と経緯を語った。

Phone (4a)の4色(左からホワイト、ブラック、ブルー、ピンク)とPhone (4a) Proの3色(ブラック、シルバー、ピンク)。ProはGlyphマトリックスが時刻を表示している(写真:筆者撮影)

ラグジュアリーブランドの手法をテクノロジー製品に持ち込む

ブランド構築にも布石を打っている。今年1月にはLVMHグループのロエベでマーケティング責任者を務めたチャーリー・スミス氏をチーフブランドオフィサーとして迎えた。発表会に登壇したスミス氏は「カシオ以来もっともファッショナブルなテックブランドでありたい」と語った。ラグジュアリーブランドの手法をテクノロジー製品に持ち込もうとしている。年内に日本国内で直営店を開く計画も、この延長線上にある。

発表会の夜、渋谷で開催された「SAKURA RAVE」の会場。DJイベントの中で新製品が展示された(写真:筆者撮影)

黒住氏は「ビジネスの基盤は固まった。次はマーケティングの強化だ。販売チャネルを増やしても、ブランドを知っていただかなければ意味がない」と話した。日本のAndroid市場で最大の激戦区は5万〜8万円台だ。GoogleのPixel aシリーズやサムスンのGalaxy Aシリーズがひしめく。この価格帯に資源を集中しつつ、販路とブランドの地盤を同時に固めるのが26年の戦略だ。

ただし、普及価格帯のモデルに光学望遠やアルミボディまで投入した以上、次に最上位モデルを出す際の差別化は課題になる。製品を磨き、販路を広げ、ブランドを浸透させる時間を、コスト高騰が許してくれるか。Nothingの「フェーズ2」は時間との勝負でもある。

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