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いったんフラッグシップを捨てたスマホメーカーNothing、普及価格帯に全振りしてブランドを作り直す戦略の成否

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Nothing Phone
Nothing Phone (4a)のピンク。背面のガラスを通して内部構造が透けて見える(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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ペイ氏は26年1月、コミュニティ向け動画で異例の宣言をした。「今年はフラッグシップの新機種を出さない」。前年に12万4800円で発売した最上位モデル「Phone (3)」を26年も据え置き、新たな最上位モデルは開発しないという。

Nothing Japanのマネージングディレクターを務める黒住吉郎氏は、発表会後の囲み取材でその背景を語った。「一部のメモリーは3倍のコストになっている。供給不足と価格高騰が同時に来ている」。AI向けの需要急増に加え、PCの買い替え需要も重なり、メモリーの争奪戦が起きているという。

黒住氏は最上位モデルの見送りについて「フラッグシップは次に続くモデルの旗頭になるべきもの。デザインでも機能でも時間をかけてやりたい。今年中だとレディじゃないので出さない」と説明した。コストの制約だけでなく、中途半端な製品を出したくないという判断でもある。同社はこの転換を「フェーズ2」と呼ぶ。話題性で勝負してきた創業期を終え、製品・販路・ブランドの3方向から地盤を固める段階に入ったという認識だ。

発表会のフォトセッション。中央左が黒住吉郎氏、右がチャーリー・スミス氏。ダンスグループのアバンギャルディが新製品を手にポーズを決めた(写真:筆者撮影)

コスト環境は今後さらに悪化する可能性もある。黒住氏は「原油価格や輸送費、関税の影響がどこまで広がるか予測できない。今の価格を維持できるかは、正直なところ未知数だ」とも語った。

6万円台のスマホに光学望遠を載せた

最上位モデルを出さない代わりに力を注いだのが、普及価格帯の底上げだ。

Phone (4a)は5万8800円から。カメラは3つ搭載し、そのうち1つが望遠だ。遠くの被写体を撮るとき、通常のスマートフォンはデジタル処理で画像を拡大するため画質が粗くなりやすい。Phone (4a)はプリズムで光を屈折させる「ペリスコープ」と呼ばれる光学式の望遠を採用し、3.5倍までは画質を落とさずにズームできる。従来は10万円を超える上位モデルにしか載らなかった技術だ。

Phone (4a)のブルー。背面のガラスを通して内部のアルミパーツやバッテリーの輪郭が見える(写真:筆者撮影)

上位のPhone (4a) Proは7万9800円。ボディに航空機グレードのアルミニウムを使い、厚さ7.95mmに仕上げた。手に取るとひんやりとした金属の質感がある。カメラにはソニー製のセンサーを搭載し、望遠は最大140倍まで拡大できる。処理能力も4aより高く、ゲームや動画編集など負荷の高い作業に向く。

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【デザインを犠牲にしてまでカメラを巨大化させることはしない】

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