このようにデザインを変え続けるのはファッションアイテムとして考えればきわめて自然である。数年同じ「顔」を続けることは、ブランド認知度を高めるよりも飽きを起こしかねない。たとえばアップルの「iPhone 17 Proシリーズ」が好調な背景には、性能だけでなく外観や素材感の変化による「買い替え欲」の刺激もあると見られている。 「Phone (4a)」と「Phone (4a) Pro」は、あえて光り方を変えることで新しいNothingらしさを感じさせるデザインへと進化しているのだ。
カラーと素材でも「Nothingらしさ」を打ち出す
Nothingのスマートフォンは、初代や2代目の頃は白と黒の2色、つまりモノトーンからスタートした。 透明な背面に内部構造を見せるデザイン自体が強い個性であり、そこにさらに派手なカラーを重ねる必要はなかったからである。またモノトーンで抑えることで、LEDの光や内部のディテールを際立たせ、「Nothingらしさ」の軸をブレさせない狙いもあった。 一見すると地味な白と黒のモデルながら、「Nothingのスマホは見てすぐわかる」が成立していたのである。
その後、世代を重ねながらNothingは少しずつカラーバリエーションを増やしていった。
特に象徴的だったのが、コミュニティーメンバーの意見やデザイン案を取り入れたCommunity Editionの展開である。ユーザーの声から生まれたカラーやテクスチャーを製品として形にすることで、「ブランドとユーザーが一緒に遊ぶ」ような距離感が生まれた。単にカラバリを増やすのではなく、「誰かのアイデアとストーリーが乗った色」を出すことで、ユーザーとの距離感を狭めていったのだ。これはNothingだけのアプローチとも言える。
また「Phone (4a) Pro」ではシリーズ初の金属筐体を採用、透明パーツも組み合わせ、一見相反するような素材を組み合わせた。これにより従来モデルとは違う重厚感と高級感を演出している。ライトで遊び心のあるNothing製品のイメージに、少し大人びた印象を加えたことでユーザー層の広がりも期待できるだろう。
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【体験をユーザーと一緒に作っていくスタイル】
