Nothingのスマートフォンの歴史を振り返ると、2022年に登場した「Phone (1)」はスマートフォンとして高性能なスペックを搭載しつつ、透明な背面と円形に大きく光る「Glyph Interface」を搭載し、世界中から注目を集める存在になった。その後は「a」ラインを追加し、価格帯を上下の2つのラインに分離。本体デザインもマイナーチェンジを繰り返してきた。今回の2機種からは、Nothingがハイエンドだけにとどまらず、手の届きやすい価格帯にも自社の製品らしさを浸透させることで、ブランドの層を厚くしようとしている姿勢が見て取れる。
「光るスマホ」をやめた理由
Nothingのスマートフォンの名前を聞いたことがある人は、おそらく初代モデルの背面の大型LEDライトの印象が強いのではないだろうか。初期の2世代の製品はこのライトがNothingらしさの象徴であり、「光るスマホ」というわかりやすいキャッチを生み出していた。このライトは通知や着信、充電状態などを光で表現するもので、機能性と遊び心を両立。スマートフォンの「裏側」に意味を持たせた点が新鮮であった。
だが同時に、この大胆なライティングはとても強い個性であり、時間が経てば「見慣れてしまう」リスクとも隣り合わせである。初代モデル登場から2年後に出てきた「Phone (2a)」ではライティングを背面の半分にするという大胆なデザイン変更を実施。Nothingらしさが失われつつあるという市場の声も聞こえたが、Nothingらしさの象徴でもあった意匠をあえて揺さぶることで、デザインに対して革新していくという姿勢を示したのである。
「Phone (4a)」ではカメラの横に縦方向に並んだドットライト「Glyph Bar」に変更された。過去モデルの全円や半円を組み合わせたライティングからすると大きなデザイン変更だが、「ライトが光る」というアイデンティティーは失われていない。タイマーで7つのライトが少しずつ減っていくように光るなど、視覚的なギミックももちろん搭載されている。
「Phone (4a) Pro」には円形の中にドット状のLEDが光る「Glyph Matrix」を搭載。円の中に多数のドットLEDが並んでおり、アナログ感あふれる表示が可能だ。この機能は25年に発売されたハイエンドモデル「Phone (3)」から採用されたが、「Phone (4a) Pro」ではドットの数を減らす一方、円型ディスプレイ全体のサイズは大きくしている。
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【新しいNothingらしさを感じさせるデザインへ】
