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〈狙われる深海の生命線〉地政学リスクにさらされる「海底ケーブル」…建設ラッシュの裏で問われる日本の国家戦略

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通信量増加に伴い建設ラッシュに沸く海底ケーブルだが、安全保障上のリスクも高まっている(写真:NEC、KDDIケーブルシップ)

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アメリカのイランに対する軍事作戦をきっかけに、緊張感が高まる中東情勢。ホルムズ海峡をめぐる動向が世界の資源流通に影響を与える中、もう1つのリスクとして浮上しているのが、湾岸諸国のインターネットやITサービスを支えるペルシャ湾のデジタルインフラだ。

海外メディアによると、イラン勢力によるとみられる攻撃で、米クラウド大手のAWSでは周辺地域のデータセンターが影響を受けたといい、米メタも大規模な海底ケーブル計画を一部中断したとの報道がある。

国際通信の99%を担い、デジタル社会の生命線となった海底ケーブル(詳細はこちら)。クラウド、AIといったITサービスに対する社会の依存度は大きく高まっており、ネットワークが絶たれれば社会活動に甚大な影響を及ぼす懸念がある。中東をめぐる国家間の軍事的緊張は、こうしたリスクを改めて浮き彫りにした。

日本では1985年の通信自由化を経て市場が開放されてきた海底ケーブルだが、足元では安全保障意識の高まりを背景に、「保護主義的局面」(通信大手幹部)に突入しつつある。

各地で相次ぐ切断事例

普段はあまり意識されない海底のインフラだが、直近でその脆弱性を強く印象付けたのが、22年9月に起きたノルドストリーム爆破事件だ。バルト海経由でロシアからドイツに天然ガスを供給する、海底のパイプラインが破壊された。ロシアによるウクライナ侵攻でヨーロッパ地域の緊張関係が高まる状況下で、両国などの関与が疑われた(編集注・25年に、事件に関わったとされるウクライナ国籍の男らが逮捕、拘束されたとの報道)。

その後、海底ケーブルでも意図的に切断されたとみられる事例が2件報じられた。1つ目は24年11月。バルト海において、リトアニアとスウェーデン、フィンランドとドイツを結ぶケーブルが相次いで切断された。現場付近を航行していた中国船籍貨物船による関与が疑われ、捜査対象となった。

2つ目は25年2月、日本からほど近い台湾近海で発生した。台湾本島と、西側にある離島・澎湖諸島を結ぶ海底ケーブルが、中国人船員8人が乗るトーゴ船籍の貨物船のいかりによって損傷。台湾当局が貨物船を拿捕し、中国人船長が懲役3年の実刑判決を受けたと報じられている。

三菱総合研究所の小野真之介研究員は「過去を振り返ると、第1次世界大戦や第2次世界大戦のときも海底ケーブルは攻撃の対象になっていた。近年こうした切断事例が相次いだことで、(国際的に)海底ケーブルを保護していかなければならないとの意識が高まってきた」と話す。

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【ケーブル切断は「人為的」要因が大半】

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