さらに「子どもがサングラスをかけるのは生意気に見える」という感覚はいまだに根強い。合理的な対策であっても、文化的な抵抗が普及を阻むだろうことは想像に難くない。
では、海外ではどうだろうか?
例えば、世界で最も紫外線が強い地域の一つとされているオーストラリアでは、紫外線による健康被害予防を目的に、1980年代に「サン・スマート」プログラムを導入している。
なかでも、特に力を入れているのが子どもへの紫外線予防指導である。帽子や日焼け止め塗布に加え、サングラスの着用も基本的な対策の一つとして位置づけた。公立小学校ではサングラスの着用が義務付けられているという。
ただし、各国の実態は一様ではない。海外に住む友人に話を聞くと、アメリカやスペインでは紫外線対策としてサングラスの着用自体は一般的だが、子どもの登下校時には装着してはいないそうだ。イタリアや香港、タンザニアでは、子どもがサングラスをかける光景はあまり見られないという。
つまり、子どものサングラス着用はその国の気候条件だけでなく、「社会認識や文化によって左右される生活習慣」だともいえる。
ワークマンが「サングラス」にも参入した理由
日本では現在、眼鏡市場など大手量販店が旗振り役となって、「紫外線から目を保護する生活習慣」を広めようとしている。
眼鏡業界ではなく、あえてアパレル業界からこの領域に踏み込んだ企業がある。ワークマンだ。
元々作業服に注力してきたワークマンは、長年培ってきた高機能ウェアの知見をアウトドアやデイリーユースの製品へと転用した展開を強化している。そのなかで同社がより一層力を入れているのが「紫外線対策」である。
参入の背景にあるのは、猛暑の深刻化。近年では企業における熱中症対策の義務化も進み、「暑さ対策」は命に関わる問題として認識されるようになった。ワークマンはその延長線上で、「目から入る紫外線も熱中症リスクを高める可能性がある」と捉える。
そのうえで同社は、サングラスを「最も簡便で効果的な対策」と位置づけた。装着するだけで紫外線対策ができるという点は、子どもにとっても実用性が高い。
次ページが続きます:
【キッズサングラスは「かけたくなる」工夫を】
