こうした人間関係のつまずきの怖いところは、「どこで間違えたのか」を自分でなかなか検証できない点です。
しかも職場は、「逃げ場がない空間」です。苦手な同僚だから関わらない、という選択肢はありません。
同じフロアで、同じメンバー、同じ上司と毎日長い時間を過ごすわけですから、関係が少しこじれるだけでも、精神的な負担は大きくなってしまいます。
コロナ禍が人づきあいを難しくした
近年の新入社員や若手世代は、人間関係を築くのにさらに難しい状況に置かれています。
コロナ禍のときに高校生や大学生だった人が多く、対面でのコミュニケーション経験が圧倒的に少ないからです。
2019年の年末から始まった新型コロナウイルスの流行より前に入社している先輩世代にとっては、学生時代にサークルで飲み会の作法を学んだり、自分がどれぐらいの量のアルコールを飲めるのかを把握したりというのは、当たり前のことでした。
しかしコロナ禍以降の学生は、対面で集団で飲むなんてもってのほかで、登校して授業を受けることすら長い間禁止されてきました。
講師や同級生とのつきあいはリモートに限られ、ビデオ越しでの対面と文字での会話がコミュニケーションのすべてだったわけです。
2022年の春頃から少しずつ対面授業が復活し、さらに1~2年かけてコロナ禍以前の世界が戻ってきたものの、近年の若手世代は他人と直接会わずに高校~大学時代の数年を過ごした人たちなのです。
にもかかわらず、会社に入社したその日から、言外のニュアンスを読み取ることが必須能力として求められてしまうのだから、厄介です。
なぜなら日本の職場特有の「察する」「空気を読む」という文化が、今も色濃く残っているからです。
・どこまで相手の話やプライベートに踏み込んでいいのか
・何が「気が利く」で、どこから「でしゃばり」なのか
それらが明文化されないまま、「わかっていて当然」とされる場所……それが職場という危険地帯です。そう考えると、人間関係でつまずくのはある意味で当然のことかもしれません。
まったくの無傷でこの危険地帯を生き延びることは難しいのですが、なるべくならつまずかずに済む知識を、あらかじめもっていると安心感が違います。
会社員生活を心穏やかに送るには、人間関係が9割。安心安全な会社員生活の送り方について、これから一緒に考えていきましょう。
