しかし、メインブランドとなる日高屋は、首都圏で一定勢力を持つチェーン店である。420円の中華そばをはじめ、「1日分の野菜350グラム」を摂取できるという野菜たっぷりタンメン(620円)などの安価な商品ラインアップで、“ちょい飲み”の追い風も受けながら拡大している。
そんなハイデイ日高は、従業員への手厚さでも知られる。25年12月に掲載された東洋経済オンラインの記事「日高屋の『分かち合う資本主義』徹底解剖。『家でつくるより安い!』ギリギリ価格で提供し地域に貢献+社員には赤字でも『3回目のボーナス』支給」によると、年2回のボーナスに加えて、毎年2月に「成長分配金」なる賞与を支給しているという。また、アルバイトに対しても、経営陣が会社の方向性を説明する機会を定期的に設けているとも書かれていた。
「公平」な企業が誤解された理由
これらの背景から考えると、どちらかと言えばハイデイ日高は、「日本人も外国人も分け隔てなく扱っている」と捉えられる。ただし、近年ナショナリズムが高まりつつあることを考えると、青野氏の発言が曲解されたことには、一定の理解を示せる。
昨今のSNS上では、「日本人も外国人も公平に扱っている」という姿勢が、相対的に「外国人を優遇している」と判断され、批判の材料になることが多い。加えて、「(日本人中心に採用する)しかない」との語尾から、あくまで日本人が妥協策だと解釈され、「外国人優先で、日本人が二の次の企業だ」との印象を与えてしまったのだろう。
おそらく青野氏は、現状の採用方針を紹介しつつ、それを変えざるを得ないと説明したかっただけだ。しかし、そこに「日本人と外国人」という、センシティブな軸が加わってしまったことにより、一部からのバッシングを受けることとなったのだ。
なお筆者個人の感想としては、青野氏の発言そのものには、「もっと慎重な言い回しもあっただろう」と感じる一方で、猛攻撃を受けるほどのものではなかったと感じる。問題視すべきは、むしろ謝罪文のほうではないか。
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【求められたのは「理念」の開示】
