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株価582%高!ウール製スニーカーからAIへ、業績不振で業務停止直前の会社が放った逆転策とは?

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(写真:ブルームバーグ)

かつて時価総額が40億ドル(約6400億円)を超えたウール製スニーカーメーカー、米オールバーズは15日、新たな事業計画として人工知能(AI)のコンピューティングインフラ事業に参入すると発表した。同社は業績不振で業務停止が目前だった。

AIに関連する話題にほぼ条件反射的に反応してきた株式市場は今回も同様の動きを見せ、オールバーズの株価は同日の取引を582%高で終えた。

この反応は、AIを巡る投機的熱狂の強さを改めて裏付けている。将来の勝ち組候補と見なされる企業への資金流入が殺到する一方、競争上の脅威で不利になると見られる業界からはパニック的な資金流出が起きている。

オールバーズは社名を「ニューバードAI」に変更する。苦境に陥った企業が、流行のテーマに乗ることで再生を図ることは最初ではない。

こうした社名変更はドットコム・バブル期にも数多く見られた。 非アルコール飲料を提供していたロングアイランド・アイスト・ティーは暗号資産(仮想通貨)ブーム初期にロング・ブロックチェーンへと改称した。

仮想通貨ビットコインのマイニング(採掘)各社は現在、AIセクターに軸足をシフト。今年2月には元カラオケ販売会社だったアルゴリズム・ホールディングスがトラック運送会社向けAIツールを発表したことで同社の株価が急騰する一方、物流セクターの激しい売りを誘発した。

こうした値動きを捉えるために設定されたミーム株の上場投資信託(ETF)を運用するラウンドヒル・インベストメンツは、取引開始時点でオールバーズ株を買い入れた。

同社のデーブ・マッツァ最高経営責任者(CEO)は、「シューズメーカーがAIコンピューティングのインフラ企業へと再ブランディングするという物語の転換は、個人投資家の熱狂を呼び起こす典型例だ」と指摘した。

オールバーズは業務停止を目前に控え、新たな事業計画としてAIのコンピューティングインフラ事業参入を発表したgood: AI computing infrastructure. Ed Ludlow explains the move.

オールバーズは新事業計画の資金調達のため、最大5000万ドルの転換社債を発行する。

調達資金はコンピューター機器の購入に充てるほか、画像処理半導体(GPU)をサービスとして提供するGPUアズ・ア・サービス(GPUaaS)およびAIクラウドソリューション企業へと成長する長期ビジョンの実現に用いるとしている。同社はコメント要請に応じなかった。

オールバーズはこれに先立ち、資産および知的財産のすべてを約3900万ドルでアメリカン・エクスチェンジ・グループに売却することで合意していた。 

著者:Subrat Patnaik、Carmen Reinicke

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