中国で固体電池の開発・製造を手掛けるユニコーン企業(評価額が10億ドル、約1600億円を超える未公開企業)、清陶(昆山)能源発展集団が株式上場を申請した。8日、香港証券取引所が同社の上場目論見書を開示した。上場を通じて巨額の資金を調達できれば「究極の電池」とされる全固体電池の量産目標へさらに一歩前進することになる。
固体電池は現在、腐食性の強い硫酸などを使用している電池の電解液部分を一部ないしすべて固体化したもの。中でも全面的に固体化した「全固体電池」はエネルギー密度(単位重量につき蓄えることのできる電力量)が将来的に1キログラム当たり1000ワット時(Wh/kg)に達するとの見方が一般的で、実用化されればEV(電気自動車)の走行可能距離を大幅に伸ばせる。
全固定電池、すでに試験生産
同時に電解液の漏れによる事故や故障を回避できるため、安全性と蓄電性能を高いレベルで両立できる理想的な電池だ。各国企業が実用化へしのぎを削っているが、今なお多くの技術的課題が山積しており、小規模な量産を開始できるのは2027年以降と考えられている。
清陶能源は16年に中国の理工系トップ大学、清華大学の南策文教授のチームが核となり江蘇省の昆山で創業した新興企業だ。同社は固体電池技術の研究開発および生産に特化、25年には全固定電池の試験生産を開始、これを搭載した試作車も26年3月にラインオフしている。
同社の直近の資金調達は23年5月に実施された。国営自動車大手の上海汽車集団(上汽集団)傘下の投資会社である「尚頎資本」が27億元(約625億円)を拠出、企業評価額は200億元(約4600億円)を超えた。これに先立ち、中国の北汽集団、上汽集団、広汽集団といった国有自動車大手も相次いで戦略的株主として名を連ね、中国のベンチャーキャピタルファンドの多くが投資した。
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