週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ライフ

「突然死は突然でない」?——6000体の遺体を解剖してきた法医学者が語る「突然死した人の体内で起きていたこと」

7分で読める
「特に変わりなかったはずなのに……」。誰もが驚く突然死、兆候はあるのでしょうか?(写真:siro46 / PIXTA)
2/4 PAGES
3/4 PAGES

私は警察学校で講義をすることがあり、その際には「もし降圧剤を出されたらすぐに飲みなさいよ」と指導しています。警察官を志す人たちの多くは若いときからスポーツをしているため、一般の人より「スポーツ心臓」と呼ばれるタイプの心肥大になっている確率が高いのです。

そのような人がいざ警察官になると、加齢とともにスポーツをする機会が減ってしまい、さらには仕事が忙しくなって生活が不規則になり、昼も夜もすぐに済ませられるラーメンなど、高塩分・高脂質の外食をすることが多くなる。

このため、一般の人に比べて、動脈硬化と心肥大の悪循環が早い段階から始まりやすいのです。

人は「徐々に具合が悪くなる」ことに鈍感

人は徐々に具合が悪くなることに対して鈍感ですから、本人が〝死の前兆〞を把握することは困難です。我慢できるくらいの軽い症状なら我慢してしまいますし、年を取ると痛みに対して鈍くなるので放置してしまいます。

また、毎日顔を合わせている家族が異変に気づくのも意外と難しいものです。私が解剖したケースを紹介しましょう。これは生活習慣病でなく、良性腫瘍で突然死した若い女性のケースです。

卵巣腫瘍が徐々に肥大化しておなかが大きくなったものの、痛みなどの症状が何もなかったため、生前に病院にかかることはありませんでした。最終的には横隔膜が圧迫されて呼吸ができなくなり、死に至ってしまったのです。

おなかは臨月の妊婦さんよりも大きくなっていましたが、本人も家族も「ちょっと太ったかもしれないけれど、別に」という感じだったようです。

次ページが続きます:
【当たり前だけれど大切なこと】

4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象