その指標とは「血圧の上昇」です。血圧の上昇は動脈硬化、もしくは心肥大が進行してきたことを示しています。放置すれば脳血管疾患や心疾患につながり、突然死しやすくなります。いまの時代は20代の方にもすでにうっすらと動脈硬化の所見があるのです。
では、動脈硬化の所見とはどのようなものなのでしょうか。管状の血管をハサミで開いてみましょう。通常は動脈の壁は白いものです。
ところが、動脈硬化の人の血管を開くと黄色い脂質成分がついていて、それが不均一なでこぼこした厚みをつくっています。これをアテロームや粥腫(じゅくしゅ)と言います。
このアテロームが溜まると血管が硬くなったり、動脈の通り道を狭くしたり、アテロームが剥がれて血栓をつくって動脈をふさいだりします。すると、血管内で血液の圧の不均衡が起きて、動脈瘤と呼ばれるコブをつくることがあります。
また、タバコを吸うことで、柔らかいはずのアテロームが酸化してガチガチに石灰化し、血管がプラスチックのように硬くなります。
動脈硬化を防ぐ方法はちゃんとある
このような動脈硬化を防ぐ方法はちゃんとあります。それは、定期的に健康診断を受けて血圧の上昇を抑えることです。また、医師から降圧剤を出されたら、すぐに飲むこともおすすめします。
みなさんは降圧剤の目的をご存じでしょうか? 「知ってるよ、血圧を下げるためでしょ?」と言われるかもしれませんが、若干違います。降圧剤の本来の目的は、血圧を下げることによって「動脈硬化と心肥大の悪循環」を断ち切ることにあります。
血管が動脈硬化によって硬くなると、これまでの圧力では心臓が血液を送り出しにくくなります。そのため心臓が必要以上に頑張って、心肥大になります。心肥大になると心臓のポンプ機能が強力になるため、血流が速くなり、圧が強くなります。
これにより血管の壁に大きな摩擦力のような力がかかり、動脈硬化がさらに悪化します。すると心臓にますます負担がかかるため、心肥大が悪化します。これが「動脈硬化と心肥大の悪循環」です。この悪循環を断ち切ることが降圧剤を飲む本当の理由なのです。
次ページが続きます:
【良性腫瘍で突然死した若い女性のケース】
