高市早苗首相にとって党総裁就任後、初となる自民党定期党大会が4月12日、都内のホテルで開催された。その際、高市首相が憲法改正について「1年で発議にメド」などとぶち上げたことが、政界に複雑な波紋を広げている。
同党内の保守派勢力からは「改憲への追い風になる」と歓迎する声が上がる。一方で、「少数与党である参議院の壁は高く、実現は困難」(閣僚経験者)との指摘も相次ぐ。
そもそも、今回の高市発言は「党内の根回し抜きの独断専行」(党執行部)とされる。ただ、あえて表立って異論を唱える議員はおらず、「反対だが、とりあえず様子を見守る」という面従腹背組が多数を占めているとみられる。
それだけに今後、今回と同様の「高市独裁」がさらに強まれば、首相がもくろむ「改憲を筆頭とする国論を二分する重要課題」をめぐる党内対立が一気に表面化し、政権基盤を揺るがす事態も想定される。
「高市一色」の大会運営を冷笑する声も
今回の党大会で際立ったのは、大会運営自体が「高市一色」に染め上げられていたことだ。派閥裏金事件の影響で盛り上がりに欠けた昨年党大会と比べると雰囲気が一変。高市政権が目指す憲法改正をはじめとした保守色の強い政策の推進と、依然衰えない“サナエ人気”を背景に、さらなる党勢拡大を狙う姿勢が鮮明になった。
会場には首相の等身大のフォトパネルが計3カ所に設置され、全国から集まった党員らが記念撮影のために行列を作っていた。また、党大会の冒頭には大型モニターに首相の演説や首脳外交のスライドが映し出されたが、こうした演出についても、党内からは「首相人気にあやかろうというだけ」と冷笑する声が漏れてくる。
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【自民党内から漏れ聞こえる本音】
