そんな党大会での演説で、高市首相は「時は来た」と改憲への強い意欲を表明。「発議にメドが立ったといえる状態で、来年の党大会を迎えたい」と言い切った。
党大会は例年1~3月に開かれることが多いが、今回は衆院選を受けて開催が延期された。その一方、来年春には統一地方選が予定されるため、「来年は2月中の開催となる」(党事務局)方向だ。それゆえ、自民党幹部も「党内協議の時間があまりにも少ない」と首を傾げる。
高市首相も演説で、具体的な日程やどの改憲項目を優先するかについては説明せず、13日の政府・与党連絡会議や自民党役員会でも関連発言はなかったという。
そうした中、政権支持グループの中核とされる萩生田光一幹事長代行は、13日の記者会見で「およそ1年以内に発議ができる環境を整えるということを明示した」と説明。「メド」がどのような状況を指すのかを問われると、「条文の整理」や「各党の合意」を挙げた。
これに対して、党内の改憲派の間からも「発言は勇ましいが、1年では時間が足りない」と疑問視する声が続出。中堅議員は「保守派をつなぎとめるために強気の発言をしただけだ」と皮肉る。
確かに、党大会会場で件の高市発言に拍手した議員は少なく、「ほとんどの議員はあきれて反応しなかったのが実態」(参院幹部)との見方が多い。
「3分の2」に立ちはだかる高い壁
改憲案の国会発議には、衆参各院で総議員の3分の2以上の賛成が必要だ。それをクリアして発議されれば、国民投票が行われ、過半数の賛成で改憲が実現する。
ただ、衆院では自民党だけで3分の2超の議席を持つ一方、参院では日本維新の会と合わせた与党会派は3分の2まで46議席不足している。自民党は改憲に前向きな国民民主党などの協力に期待するが、「現状では見通しは暗い」(参院幹部)との見方が広がる。
今回の高市発言に対し、参院で野党第1党の立憲民主党の水岡俊一代表は、13日の会見で「憲法改正ありきで議論が進むことに危機感を持っている」と牽制。その一方で、「改憲派」とされる国民民主党の川合孝典参院幹事長は会見で「肯定的に受け止めている」と評価した。
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【動き始めた各陣営の思惑】
