高市早苗内閣が発足して半年になるというのに、いまだ「ハネムーン期間」は終わらない。4月の内閣支持率はJNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)の調査では71.5%、NHKによる調査でも61%と高いままだ。
2月の衆議院選挙で自民党単独で3分の2を上回る316議席を獲得し、3月の訪米では11兆円の対米投資案件などを手土産に「抱きつき外交」を展開。アメリカとイスラエルが開始したイラン戦争では「法律の範囲内でできることと、できないことがある」とドナルド・トランプ大統領を説得し、ホルムズ海峡への自衛隊派遣をなんとか回避した。
ひとまず無難に対応できたことについて、有権者の評価は低くない。また、立憲民主党と公明党が合流した中道改革連合が2月の衆院選で議席数を激減させ、「大きな敵」がいなくなったことも内閣支持率を押し上げる原因になっている。要するに、「何もないこと」が高市政権の追い風となっているのだ。
高市人気が抱える2つの「側面」
だから、いくら国会審議への出席率が低くても、週末に来客もなく公邸に閉じこもり、首相動静に「午前中は公邸で過ごす、午後も公邸で過ごす」と書かれようと、高市首相は国民からは大きな批判を浴びることはない。「高市プレミアム」をがっちりと支えているのは、高市首相の能力やその働きぶりというよりも、「非世襲」「女性」という属性にほかならないからだ。
さらに派閥のイメージが強い自民党政治にあって、ほかの議員らと群れない高市首相は新しい政治家像を印象づけ、好意的に受け入れられている。自民党が2月の衆院選で66人もの新人議員を誕生させたのも、有権者が彼らに「高市カラー」を見いだしたからだろう。
それゆえ「高市効果」は、地方の首長選には及びにくい。自民党の鈴木俊一幹事長は4月13日の会見で、「地方選は地域の事情、地域の争点があり、国政とはつながらない部分がある」と述べたが、生活に密着する地方政治では「何もない」では有権者の心をつかむことは不可能だ。とりわけ現実的な争点がある場合、それについて取り組む真摯な姿勢が問われることになる。
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