東洋経済オンラインとは
ライフ

【アグネス論争から40年】渦中の2人が振り返る…オヤジ雑誌が煽った「産む女と産まない女の対立」への違和感

9分で読める
子連れでの仕事について議論を呼んだ「アグネス論争」について振り返ります(写真:Fast&Slow/PIXTA)

INDEX

今を遡ること約40年前、当時人気歌手だったアグネス・チャンさんが子連れでテレビの収録スタジオに現れたことに端を発した「アグネス論争」。その論争が提起した「仕事と育児の両立」をめぐる課題は、令和の時代となった現在でも、なお完全に解決したとは言えません。
本稿では、論争の渦中にあったアグネスさんと、社会学者の上野千鶴子さんの共著『報われない社会で、それでも生きる』から一部を抜粋・編集する形で、当時の社会状況と「アグネス論争」の根本にあった問題について振り返ります。

オヤジ雑誌による「女対女」の対立構造

上野 アグネス論争当時、どんな気持ちでいましたか?

アグネス どうしてこんなことになってしまったんだろうというショックが大きかったです。最初は話題になっているぐらいだったのがどんどんヒートアップしていって、気づいたら「アグネス論争」という言葉が独り歩きしていました。

自分としては論争に参戦した覚えはないけれど、激しくバッシングされました。自分のことを嫌いだと言う人がたくさんいることにショックを受けていたんです。もしかしたら、私がインタビューなどで余計なことを言ってしまったのかもしれないと考えるようになっていました。

上野 どんなことを言ったの?

アグネス あるインタビューで「職場に託児所があったらいい」と発言した際、記者の人から「そんなのどこにもありませんよ」と言われて、「中国では50人以上従業員がいる会社には保育所があります」と言ったのです。私は夢みたいな話をしているわけではないと伝えたかったんです。

上野 当時の中国は改革開放の前ですから、人民公社などには託児所があってあたりまえの時代でした。ちょうどあの頃、日本でも企業託児所ができかけていたのですよ。

次ページが続きます:
【中国の例を出したことで反感を買うことに】

2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象