治療は局所麻酔で行え、両手でおよそ1時間半程度。日帰りで治療可能だ。ただし、あくまでも見た目の改善が目的なので、自由診療となる。
「病的な血管を焼灼して潰す下肢静脈瘤と違い、手の血管の場合は、細くはするものの機能の温存を目指します。手には蛇行した細い血管がたくさんあるため、専門的な治療技術と細心の注意が必要です」(阿保医師)
治療後の経過と気を付ける点
見た目の改善を優先するあまり、血管を減らしすぎてしまうと将来、点滴や採血が必要になった場合に使う血管がなくなってしまう。そのため、阿保医師の場合は、手の甲から前腕の約3分の2までの範囲にとどめ、指の血管は治療しないなど、治療範囲に明確な制限を設けている。
血管内レーザーは安全性が高い治療法だが、治療直後には一時的に腫れや内出血が生じる。皮膚の感覚の回復に時間がかかることもあるが、日常生活には問題ないという。
多くは1〜2週間ほどで腫れも落ち着き、徐々に皮膚の状態が整う。きれいな手元になるまでには1~2カ月程度を要する。治療後も1年程度のフォロー期間を設け、経過観察を行いながらより自然な仕上がりを目指すという。
「対応できる医療機関もまだ限られていますが、治療を検討する場合は、手の血管治療で豊富な経験がある専門の医療機関で相談しましょう。治療方法やリスクを丁寧に説明し、血管を安易につぶさない判断ができる医師を選ぶことをおすすめします」(阿保医師)
(取材・文/石川美香子)

阿保義久医師
1965年青森県生まれ。東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院第一外科勤務などを経て、2000年に北青山Dクリニック(現:北青山D.CLINIC)を設立。血管外科医のスキルを生かしてハンドベイン日帰り手術を発案。予防医療や早期発見のための人間ドック、生活の質を高めるアンチエイジング療法、再生医療や進行がんに対する革新的治療まで、質の高い医療サービスの提供に取り組む。著書に『下肢静脈瘤が消えていく食事』(マキノ出版)など。
